封殺に遭った「躺平系」ブロガー「小A在上網」の動画より。ネットカフェでの何気ない日常を記録した一場面。(動画スクリーンショット)
「普通に暮らすこと」が最大の罪に? 若者の静かな抵抗すら封殺される現実

「競争を降りて静かに暮らす」のは許されない? 「躺平系」ブロガーら封殺に遭う=中国

働いても報われず、結婚も家も遠い夢。そんな現実に疲れた若者たちが選んだのは、無理をせず最低限で生きる「躺平(タンピン)」だった。

だが黙って前向きに働き続ける「模範的労働者」は称賛されても、「競争を降りて静かに暮らす躺平者」は危険視されるのが今の中国である。

今月上旬、「躺平」潮流を象徴する人気ブロガー「小A在上網」の中国SNSアカウントが突如封殺された。本人によれば、プラットフォームから告げられた理由は、インターネット関連法規に違反しているというものだった。だが実際の投稿は、ネットカフェでゲームをする、街を歩いて食事をする、ただの平凡な日常にすぎない。政治批判どころか、むしろ「愛国的」な発言さえ交えていた。それでも削除の対象になったのは、皮肉にも「普通に生きること」こそ最大の違反と見なされるからである。

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