中国の農村商業銀行で「年金ローン」が緊急停止 背後にある規制強化の波
中国では、特に農村部を中心に、多くの農村商業銀行が「年金ローン」という新しい仕組みを導入してきた。この仕組みは、銀行が高齢者に資金を貸し、そのお金で年金保険料を一括で「追納(不足分を納入)」できるようにし、これによって将来の基礎年金を受け取る権利を得られるというものだ。つまり、本来一度に多額の保険料を用意しなければならない人も、ローンを利用することでその負担を分散できる。
この年金ローンは湖南省、四川省、浙江省などで40を超える農村商業銀行が採用したが、銀行業界からは問題点も指摘されている。主な懸念は二つある。第一に、ローンの使い道が本当に正当かどうかが議論されていること。第二に、商業的に本当に成立する仕組みなのか疑問視されていることである。
そもそもこの仕組みが導入された背景には、中国の年金制度そのものの設計がある。現在の「都市・農村住民基本年金保険制度」は2014年に全国で統一された制度で、「基礎年金」と「個人年金口座」の2本立てになっている。基礎年金は政府が負担し、個人年金口座は自分自身が積み立てる。ただし、基礎年金を受け取るためには最低15年間、保険料を納付していることが条件だ。
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