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ほうれん草の隠れた力

ほうれん草の根を活用しよう! 6つの効果と知っておくべきポイント

ホウレンソウは栄養が豊富で、ルテインやゼアキサンチンを多く含んでいます。研究によると、ホウレンソウには「肝臓の働きを助け、目の健康を守るほか、便通を整え、血糖値を下げる」などの効果があることがわかっています。そのため、「野菜の王様」とも呼ばれています。この記事では、ホウレンソウの「6つの健康効果」、「効果的な食べ方」、そして「注意点」について紹介します。

ホウレンソウの6つの効果

1 ホウレンソウは目を保護する

ホウレンソウはルテインやゼアキサンチンを豊富に含んでおり、生のホウレンソウ100グラムあたり約12ミリグラムが含まれています。これは、多くの野菜の中でも特に高い含有量です。

ルテインとゼアキサンチンは、体にとって重要な カロテノイドの一種で、特に野菜や果物の黄色やオレンジ色を作る色素です。ゼアキサンチンは、ルテインの一種(異性体)でもあります。これらの色素は、体内に取り込まれると 目の網膜の中心部(黄斑)に蓄積し、青色光を吸収・フィルタリングすることで、目の負担を軽減します。

また、加齢に伴う黄斑変性のリスクを下げる働きもあります。特に、長時間パソコンやスマートフォンの画面を見る人は、ホウレンソウを積極的に摂取すると目の健康を守るのに役立ちます。
 

2 ホウレンソウは肝臓を養う

ホウレンソウをたくさん食べることで、非アルコール性脂肪肝のリスクを下げ、肝臓を肝疾患から守ります。

食材の組み合わせのヒント:ほうれん草と豚レバーの炒め物
栄養たっぷりで、肝臓の働きをサポートし、おいしく食べられる一品です。

ホウレンソウと豚レバーを一緒に炒めたりスープにしたりすると、肝臓を養い、貧血を改善する効果があります。特に女性に非常にうれしいです。豚レバーはビタミンAが豊富で、目の疲れを取り、目の乾きや痛みを改善するのにも役立ちます。

ホウレンソウを炒める時は、まずホウレンソウを湯通しし、すぐに取り出して水気を切ります。これにより過剰なシュウ酸を取り除き、ホウレンソウの鉄分の吸収を促進すると同時に、ホウレンソウの渋みも取り除くことができます。

湯通ししたホウレンソウを食べやすい大きさに切り、フライパンにラードを適量入れて香りを立たせ、ホウレンソウを加えて炒めます。こうすると、香ばしく仕上がり、渋みや苦みも感じにくくなります。また、ルテインやゼアキサンチンは脂溶性のため、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。ベジタリアンの方は、ラードの代わりにオリーブオイルを使うのもおすすめです。

ホウレンソウと豚レバーの炒め物(胡乃文開講)

 

3 ホウレンソウは貧血を改善する 根が最適

多くの人がホウレンソウを食べる時、通常ホウレンソウの根を捨ててしまいますが、これはもったいないことです。中医学の古典『本草綱目』によると、ホウレンソウの根は特に栄養価が高く、貧血の改善に役立ち、顔色を良くするとされています。次回ホウレンソウを調理する時は、ホウレンソウの根をよく洗って一緒に食べることをお勧めします。

●食材の組み合わせのヒント:貧血対策におすすめのオートミール粥
貧血や低血圧の改善に役立ちます。

ホウレンソウの鉄分含有量は非常に高いですが、ほとんどが無機鉄の形で存在するため、吸収されにくいです。牛肉や豚レバーなど、吸収しやすい鉄分を含む食材と一緒に食べると、貧血改善効果がより高まり、貧血や低血圧などの症状を改善できます。

「貧血対策オートミール粥」がおすすめです。体力や気力を補うのに役立ちます。食べる量はお好みに合わせて調整し、ホウレンソウ、卵、ビーフエキス(または牛肉)、オートミール、ナツメを一緒に煮て、お粥のようにして食べるとよいでしょう。
 

4 ホウレンソウは便通を良くする

中医学の古典には、便秘がちな高齢者の食事療法としてホウレンソウを取り入れることができると記されています。ホウレンソウは食物繊維が豊富で、100グラムあたり2.2グラムの食物繊維を含んでおり、腸の動きを助け、排便を促す働きがあります。特に頑固な便秘に効果的とされています。

また、長時間座りっぱなしの生活が多い人も、意識的にホウレンソウを取り入れることで、便秘の改善が期待できます。
 

5 ホウレンソウは血糖値を安定させ、糖尿病のリスクを下げる

また、ホウレンソウは糖尿病患者の血糖値を安定させるのに役立ちます。2010年の『英国医学雑誌』に掲載された総合的な研究によると、毎日1.35人前の緑葉野菜を食べる(最高摂取量)グループは、毎日0.2人前の緑葉野菜を食べる(最低摂取量)グループと比較して、2型糖尿病のリスクが14%低下しました。

中国の古典にも、薬を飲まずに糖尿病を改善できる食事療法があります。ホウレンソウの根と鶏内金(鶏の砂嚢の内層の皮)を等量ずつ細かく粉砕し、米のとぎ汁で飲みます。毎回1銭(3.75g)を1日3回服用します。
 

6 ホウレンソウは慢性疾患のリスクを下げる

ホウレンソウには、カロテノイド、ビタミンC、ポリフェノールなど、多くの抗酸化物質が含まれており、これらはフリーラジカルと戦います。フリーラジカルは糖尿病などの慢性疾患の初期発症と関連しています。

● 食材の組み合わせのヒント:ほうれん草入り卵焼き
子供の成長をサポートします。

ホウレンソウと卵を一緒に焼くと、子供にタンパク質を補給でき、簡単で美味しく、好き嫌いの多い子供も好むでしょう。

材料:

  • ホウレンソウ(小さめの束)1束
  • 卵 2個
  • 塩 少々

作り方
1)ホウレンソウを約1分湯通しして取り出し、水気を切って小さく切っておきます。
2)卵2個をボウルで溶きほぐし、塩少々を加えます。
3)フライパンに大さじ1杯の油を入れ、油が熱くなったらホウレンソウを入れ、その後卵を注いで平らに広げます。
4)下側の卵液が固まったら裏返し、両面を金色になるまで焼きます。

これは最も基本的な作り方です。好みの野菜、例えばタマネギ、エリンギ、トマトなどを加えると、より豊かな食感になります。

ほうれん草入り卵焼き(胡乃文開講)

 

ホウレンソウの摂取は過度を避ける

1 ホウレンソウと豆腐を大量に一緒に食べると結石ができやすい

ホウレンソウを魚介類、卵、乳製品、豆腐などのカルシウムが豊富な食品と一緒に食べると結石ができるかどうかについては、多くの議論があります。私は自分の体で実験をしたことがあります。連続2、3日間大量のホウレンソウと豆腐を食べた結果、結石はできませんでしたが、腎臓にはすでに砂がたまっていました。

そのため、ホウレンソウを豆腐、魚介類、卵、乳製品などの食品と大量に一緒に食べないようにお勧めします。ホウレンソウを調理する前には必ず湯通しして、できるだけシュウ酸を取り除いてください。

ホウレンソウを調理する前には必ず湯通しして、できるだけシュウ酸を取り除くと、結石ができにくくなります(胡乃文開講)

 

2 ホウレンソウを控えたほうがよい3つのタイプ

ホウレンソウには多くの利点がありますが、過度に摂取しないことをお勧めします。特に以下の3種類の人はホウレンソウを多く食べない方がよいでしょう:

1)腎機能が良くない人:ホウレンソウはカリウム含有量が高い(生のホウレンソウ100グラムあたり558ミリグラのカリウムを含む)ため、腎機能が良くない人は多く食べない方がよいです。そうでないと腎臓の負担が増えます。

2)シュウ酸カルシウム結石がある人:シュウ酸カルシウムは尿路結石の主な原因であるため、ホウレンソウなどシュウ酸を多く含む食品の過度の摂取を避けるべきです。

3)抗凝固剤を服用中の人:ホウレンソウはビタミンKが豊富に含まれており、血液を凝固させるため薬の効果に影響を与えるので、多く食べることはできません。

 

(翻訳編集 里見雨禾)

王贺
胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。