外国人観光客がたくさん訪れる京都府嵯峨野の竹林(Chris McGrath/Getty Images)

日本当局、中国旅行11社に訪日ビザ代理申請の資格停止…日本で失踪、不法滞在の情報も

中国発の訪日旅行ツアーに参加した観光客が無断で団体から離れ、行方不明になる事案が相次いでる。中国の旅行業界関係者によると、今年の5月と6月の間だけでも、十数件のツアーで離脱が起きており、「前例のない数字」だと指摘する。

訪日中国人の逃走 広東発の大阪・京都ツアーに多く

オンラインに流出した文書によれば、日本の広州総領事館は中国11の旅行会社の訪日観光ビザの代理申請権を停止した。6月13日付で各旅行会社に送った書面通知によると、この措置は「中国人の訪日観光実施要綱」に規定された原則に基づくという。

行方不明者は特に、広東省発の大阪・京都6日間ツアーに多く、日本が中国人観光客の入国ビザを全面的に厳格化する原因となっていると、ラジオフリーアジア(RFA)が報じている。

大紀元はこの通知内容について、外務省に問い合わせているが、回答はまだ得られていない。

 

ビザ停止となった旅行会社は、不法滞在を手伝った可能性がある。ある中国の観光業界の関係者は大紀元に対し、申請者が偽の書類を提供するのを助けたり、不法滞在に協力したのではないかと述べた。

日本当局による中国人の審査の厳格化について、観光客の”失踪”によるものではないかと、深圳のある国際旅行会社に勤める劉さんはRFAに述べた。「追加書類が増えている」という。

「ビザ申請には、会社の在職証明と銀行の取引明細書の提出が必要です。在職証明がない場合は、社会保険の加入、または居民委員会が発行した無職証明。また、フリーランスの場合は社会保険や居住証の表裏のコピー、身分証の表裏のコピーを、高齢者の場合は退職証明書を準備しなければなりません」

中国のネットユーザーの間では、最近22人が観光ビザを取得し、日本に入国後に逃亡、その後不法滞在しているとの情報が広まっている。

広東省のある旅行業界の関係者は、SNSの微信(ウィーチャット)のグループで、ここ数か月の間に十数ものツアーから日本到着後、離脱者が出たことを明かした。6月上旬だけでも、広東省からの2つの訪日ツアーの参加者が、途中でいなくなったという。

日本で行方不明になった中国人は、いったいどこへ行ったのか。

日本在住の中国人旅行業界にかかわる張さんはRFAに対し、中国の経済不況を受けて、最近多くの中国人が日本での仕事を求めていると聞いたという。

「彼ら(ツアー離脱者)は日本に残っているだろう。日本は今、仕事を見つけやすい。ツアー参加者はパスポートを回収されているので、おそらく数年間不法滞在で稼ぎ、それから帰国するつもりだろう」

こうした通知と関連して、5月末、靖国神社(千代田区)の石柱に落書き等をして動画配信した中国の迷惑系ユーチューバーの影響ではないかと疑う声もある。しかし、広範なビザ規制が一個人の行動によるものとは考えにくい。

中国メディアの元関係者は大紀元の取材に対して、素行不良や器物損壊で、このユーチューバーの再上陸は容易ではないだろうと指摘した。

 

日本の広州領事館の解答

広州総領事館は18日発表の声明で、インターネットに広がる「日本のビザ政策は厳格化した」との情報を否定した。

同館は「ビザ申請にあたり、指定旅行会社の審査を定期に行っており、業績に基づき指定を増やしたり取り消したりしている」と説明。旅行会社の指定変更は、ビザ発給条件に影響をおよぼさないとした。同日までに52社が指定されているという。

日本当局の統計によれば、5月、中国からは約54万人が観光目的で日本を訪れた。定住者も増加している。昨年末の時点で、日本には約82万人の中国人居住者がおり、前年から6万人増加した。

関連記事
国内の事業者や各種サービスで、不正アクセスによる大規模な個人情報漏えいが相次ぐ中、総務省や情報セキュリティー関連機関が対策を呼びかけている。
米国で行われているファーウェイ事件の公判で、ファーウェイ本社は2013年当時、世界各地の従業員に競合他社から機密情報を入手することを奨励し、報奨金を支払う社内方針を導入していたことが判明した。
エルニーニョ現象が観測史上最強級となる可能性を指摘。日本の今冬は暖冬が見込まれる一方、一時的な寒波や局地的な大雪に注意が必要。普段は雪の少ない太平洋側でも、南岸低気圧による降雪への備えが求められる
企業への不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいる。タイムズカーやローソンなど幅広い業種で被害が判明し、百万件超の事案は2026年に10件と過去最悪のペースに。企業のセキュリティー対策と委託先管理の強化が急務となっている
東京理科大学名誉教授の硤合憲三氏が、ノーベル化学賞を受賞することが決まった。長年にわたる研究成果が評価されたもので、日本の学術研究における大きな成果となった。