気ままにハーブティー習慣(1):ペパーミント

「のどが痛いの?じゃ、サルビアのお茶でうがいなさい」「眠れないの?じゃ、『ホップ』と『かのこ草』のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たらすぐに、常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピを参考にドイツのハーブティーをご紹介します。

ペパーミント(Menthae piperitae folium)

ペパーミント(freeangle / PIXTA)

 

今回のハーブはペパーミントです。和名は「西洋はっか」で、しそ科の多年草です。イギリスで多種のミント類を交配して生まれ、現在では世界中で栽培されています。庭で栽培できますが、種を採って増やすことはできません。また、2年ごとに移植する必要があります。長く一ヶ所で栽培を続けると、原種に戻ってしまい、ペパーミント特有の味も香りもなくなります。ハーブとしては、開花時に全草を採取し、乾燥させた後、小さく切って用います。

〔効用〕

ペパーミントは、ミントの味と香りが爽やかで美味しいですが、フレッシュな葉に熱湯を注いだお茶も、清涼感があって楽しめます。

ペパーミントのハーブティーは胃腸の障害に優れた効果を発揮することが実証されています。特に吐き気、嘔吐を伴う胃の不調には即効性があります。また、胃腸内ガス、痙攣(けいれん)、臭いの強い便などを伴う胃腸障害にも有効です。胃の不調には、さまざまな原因が考えられますが、胆嚢の不調が原因しているケースも多いのです。ペパーミントは胆嚢の機能を高め、胆汁の分泌を促し、流れを良くして、胃の不調を改善します。ただし、乳児や幼児はメントールに過敏に反応しますので、与えないでください。

〔ペパーミント茶の作り方〕

ペパーミントに熱湯を注いで、フタをして10分置いた後、こして飲用します。

〔胆嚢の機能障害による胃の不調に効果的なミックスハーブティー〕

ペパーミント 10

カモミール 10

メリッサ 5

上記の割合で作ったミックスハーブに熱湯を注ぎ、フタをして10分置き、こして飲用します。

〔有効成分〕

メントールを多量に含む芳香油、少量のタンニンと苦味素 他