ロシアのある銀行家によると、中国の銀行が顧客の身元確認ができない状況で、仮想通貨による支払いが唯一の選択肢となっている。中国では2021年より仮想通貨の利用が禁止されており、この種の裏金融取引の規模は、今のところ明確ではない(Photo by George Frey/Getty Images)

制裁を恐れ、中露貿易は「裏ルート」にシフト

ロイター通信によると、中国の主要な銀行がロシアとの金融取引を停止し、中国の一部企業は国境地帯の小さな銀行や通貨ブローカーなど非公式な資金調達ルートに頼るようになり、禁じられている仮想通貨の使用に手を染めるケースも出てきている。また、ロシア市場から完全に手を引いた企業もあるようだ。

2022年、ロシアがウクライナに侵攻して以降、米国はロシア及びその企業に対して複数の制裁を実施している。中共(中国共産党)がロシアの軍事支援をしているとされ、米国は中国の銀行への制裁を強化することを示唆しており、これが中露間の非軍事的な貿易融資にも影響を与えている。

中国の国有銀行は、ロシアとの取引によって米国から制裁を受けるリスクを懸念している。

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