日産自動車は2月8日に、昨年第3四半期の純利益が前年同期の約半分に減少したと発表した(yu_photo / PIXTA)

日産、中国販売減で減益

日産自動車は2月8日に、昨年第3四半期の純利益が前年同期の約半分に減少したと発表した。

横浜市に本社を置く日産は8日、2023年10~12月の純利益が291億円だと発表した。前年同期の506億円から減少した。

2023年第3四半期では、同社の売上高は10%近く急増し、3兆1081億円に達した。

日産の最高財務責任者(CFO)であるスティーブン・マー氏は、中国市場の状況は特に厳しいと記者団に語った。中国自動車市場における競争が激化し、メーカー間の価格競争や、BYDのような中国企業のEV製品が市場を席巻している。

昨年4~12月にかけて、日産の中国での自動車販売は前年同期比35%減となった。一方、米国での販売台数は前年同期比で約30%増加し、中国での苦戦を補うのに一役買った。

日産の2023財政年度は3月まで。2023年度9か月間の累積売上高は前年比22%増の9兆1700億円となった。

2023年度通期の業績見通しは売上高13兆円、利益3900億円で変更はない。

日産は3月までの2023年度に世界で355万台の自動車を販売する見通しで、前回予想の370万台から減少した。とはいえ、この数字は前年の330万台を上回るものである。

地域別では、日産は米国、日本、欧州での販売台数の増加を見込んでいるが、中国では24%減の見通しだ。

関連記事
東京株式市場の前場で日経平均が下げ幅を拡大し、一時800円超の下落を記録。米株高後の過熱感から利益確定売りが膨らみ、植田日銀総裁の講演を前に投資家が警戒
金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる
ソニーや三菱自動車など多くの日本企業が中国で事業縮小や撤退を進行中。生産拠点は東南アジアやインドへの移転が目立つ
高市首相は、日米が南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討すると発表。経済・安全保障の強化を目的に日米が協定を締結し、中国依存脱却を目指す。
9月貿易統計では、半導体関連の輸出回復により5カ月ぶりの増加が確認されたが、輸入がそれを上回り、貿易赤字は3か月連続となった。円安進行が輸出企業の追い風となる中、高市早苗氏の政策スタンスが市場で注目を集めている。