FBIのレイ長官は1月31日、米国連邦議会下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委員会)」で証言する (Photo by Kevin Dietsch/Getty Images)

中国のサイバー攻撃、全米がターゲット…水道や電力、交通網を麻痺させる能力ある=FBI長官

米国連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は1月31日、中国共産党のサイバー活動は米国全体をターゲットにしており、国家安全保障に対する脅威の緊急性が高まっていると議員に警告した。

「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委員会)」で証言したレイ氏は、「中国人民共和国のハッカーが、私たちの重要なインフラストラクチャーを標的にしている事実が過小評価されている」と述べた。

レイ氏によると、中国の国家支援ハッカーは、水処理施設、電力網、石油および天然ガスパイプライン、交通システムなどの重要なリソースを一時的にでも停止させる能力を持ち、米中間で紛争が起こった場合、これらのリソースを麻痺させ、米国市民に直接的な害を及ぼすことが可能だという。

この脅威は理論上のものではなく、すでに実際に存在しているとレイ氏はいう。31日には、中国共産党政府支援のハッキンググループに由来するマルウェアに感染したWi-Fiルーターを特定したと発表した。「台風ボルト」と名付けられたこのマルウェアは、中国が通信、エネルギー、交通、水部門などの重要なインフラストラクチャーに対する偵察とネットワーク開発を隠すことを可能にしていた。

FBIは、サイバーセキュリティ、犯罪捜査、大量破壊兵器、民間および公共部門のパートナーシップ、国際同盟国との関係などの分野で専門知識を活用して、この多面的な脅威に取り組んでいる。2024年度の予算要求では、FBIの56分野にまたがる部門がサイバー脅威を調査する能力を強化するため、6300万ドル(約91億2千万円)の追加資金を投じた。

レイ氏が証言した下院の中国特別委員会は、中国共産党がもたらす脅威に関する共通認識を築き、経済、価値観を守るための行動計画を策定するために超党派ベースで作業を進めている。

この公聴会には、国家安全保障局長官のポール・M・ナカソネ氏、サイバーセキュリティおよびインフラストラクチャセキュリティエージェンシーディレクターのジェン・イースターリー局長、国家サイバーディレクターのハリー・コーカー・ジュニア氏など、米国政府の高位サイバーリーダートップが証言した。

関連記事
アメリカのキャンパス、テスラの工場、そして今月スウェーデンで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストの会場において、混乱を招き、あからさまに破壊的ですらある凶悪犯たちに共通するものは何だろうか?彼らは皆、何らかの形で資本主義を破壊したいのだ。
16日のインタビューで、トランプ氏は共和党全国大会でその人物を発表する可能性が高いと述べた。
国家情報長官アヴリル・ヘインズ氏が15日に、ISIS関連の人身売買ネットワークが南部国境を越えて不法移民の通過を容易にしていると確認した。これを受け、ジョン・コーニン上院議員は、テロの脅威が米国内で発生するのは時間の問題だと警告した。
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。
史上最も早い時期に行われる大統領テレビ討論会が6月27日にCNNで開催されることが確認された。