イングランド東部で、非常に珍しい、価値のある2枚の金貨を発見されました。この金貨の歴史は、黒死病が猛威を振るった14世紀半ばまで遡ります。
ノーフォークの町リーファム近郊で出土した2枚のコインは、23カラットのヒョウ柄の金貨とノーブル金貨で、いずれも折りたたまれた状態で発見され、約150メートル離れた場所に埋められていました。
重さ3.51g(0.12オンス)のこのヒョウ柄の金貨は、1344年に発行されたもので、エドワード3世(1312年〜1377年)の時代の第3次鋳造期間に属します。
また、重さ7.6グラム(0.27オンス)の「ノーブル」金貨は、第4回目の鋳造期間である1351年から1352年にかけて発行されたものです。ちょうど黒死病が猛威を振るっていた時期で、ヨーロッパ人の約2500万人が死亡しました。
考古学者のヘレン・ゲーク(Helen Geake)氏によると、このコインは現在の12,000ポンド(約16,500米ドル)相当の価値があり、当時の社会的地位の高い人が持っていたと考えられています。
この2枚のコインは、何百年も地下に埋もれていたにもかかわらず、農作業による小さな傷を除いては、大した摩耗は見られませんでした。
「エドワード3世は1344年初頭にイングランドの金貨を製造しようとした。このヒョウ柄の金貨はその時に試みられた3種類のコインのうちの最初のものだった。 しかし、造幣のコストが高かったのに対し、金貨の価値が低く見られたため、試みは失敗に終わった」と大英博物館のPASに記録されています。
また、「1344年7月以降、新しい金貨の導入によって徐々に置き換えられ、調整のプロセスは1351年まで続いた」と続けて書かれています。
その数ヶ月間の試用期間中で、3万ポンド以上の金貨が製造されましたが、現在、公共のコレクションや博物館に残っているものはほとんどありません。
これらの金貨の標準的な金含有量は23カラットを超え、純度は96%です。
専門家によると、この2枚のコインは、所有者が紛失したか、意図的に埋葬されたかのどちらかで、同時に埋葬された可能性が高いと考えられています。
(編集・中川真悟)
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