これまで中国共産党は庶民にお金を稼ぐ機会を許してきた。そのかわりに中国人は政治的自由に関しては目をつぶっていた。しかし現在、失業が広がる中で、この暗黙の約束は、「安全」や「良好な生活」といったあいまいな約束に変わりつつある。画像は上海市外灘(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

共同富裕から失業率へ 中国共産党の社会契約は破綻している

これまで中国共産党(中共)は庶民にお金を稼ぐ機会を許してきた。そのかわりに中国人は政治的自由に関しては目をつぶっていた。しかし現在、失業が広がる中で、この暗黙の約束は、「安全」や「良好な生活」といったあいまいな約束に変わりつつある。

今年1月にラジオ・フリー・アジアに掲載された記事は、1989年の天安門事件以降、中共政府は概ね安定した生活を提供したが、代わりに人々は自らの政治的自由を放棄するという取引を中国人に強いたと指摘している。この社会契約、または取引の内容は時代によって異なる。

江沢民時代、当局と国民の間の不文律の合意は、中共が国民を金持ちにさせ、国民は中共の統治の正当性を認め、政治的自由を放棄するというものだった。胡錦濤時代の暗黙の取引は、政府は国民を苦しめず、国民は平穏な日常を送る。代わりに、国民は発言権や出版権、結社の自由などの政治的権利を持っているかどうか、あるいはどれだけ持つかは当局が決める。 

▶ 続きを読む
関連記事
中国当局は、国内経済における需給バランスの不均衡を是正する必要性を認めながらも、結果としてその問題を悪化させるような政策を選択している
日本が深海6千mでレアアース採取に成功。世界を驚かせたこの快挙は、中国の「資源兵器化」を無力化し、日本の「資源貧国」脱却を予感させる。独占体制の終焉と、新たな国際秩序へのカウントダウンを読み解く
見過ごされがちだが、競業避止義務条項(NCC)の不適切な運用は経済活動を深刻に抑制し得る。競業避止条項とは、在職中または退職・取引終了後に、自社と競合する事業や行為(転職・起業)を一定期間制限する契約だ
米誌『フォーリン・アフェアーズ』は、張又俠らの失脚を受け、習近平を「壊滅者」と酷評。盟友すら粛清する姿勢が軍不信と権力集中を招き、中共軍事中枢は事実上壊滅状態にあると指摘した
ベネズエラ政権の交代により、中国は廉価なベネズエラ産重質原油を入手できなくなった。中国の独立系製油業者は現在、イランから重質原油を購入している。