英国の北京大使館の元職員が海外赴任を終えて帰国した際、中国の役人から別れの贈り物としてもらったティーポットを落として壊してしまい、その中に盗聴装置が仕掛けられていることを偶然に発見した(kuro3 / PIXTA)

狙われた英国元外交官 ティーポットの中から盗聴器

英国の元外交官は、中国の知り合いからもらったティーポットに、盗聴装置が仕掛けられていることを発見した。

英紙「ザ・サン」は17日、情報筋の話を引用して報じたところによると、英国の北京大使館の元職員が海外赴任を終えて帰国した際、中国の役人から別れの贈り物としてもらったティーポットを落として壊してしまい、その中に盗聴装置が仕掛けられていることを偶然に発見した。

報道では、この外交官が誰であるか明らかにされていない。情報提供者によれば、中国はこの盗聴器から機密情報を得ていない。しかし、このことは中国共産党(中共)の諜報活動がどれほど巧妙かを浮き彫りにした。

9月10日、英国議会の調査員を含む2人が今年3月、中国のためにスパイ活動をした容疑で逮捕された。

逮捕されていた調査員は、中国問題を調査し、保守派議員に対中政策情報を提供する「中国研究グループ (China Research Group)」のディレクターを務めていた。

同グループは、英国の保守党のベテラン議員数人によって結成された。創設者はトム・トゥーゲントハット安全部長と、ジョージ・オズボーン元英財務相の元顧問ニール・オブライエン氏である。

この事件で、保守党議員らは相次ぎ、中国に対する政府の無策を非難した。リズ・トラス元首相は、中国は英国と世界に対する最大の脅威であると述べた。

中国によるスパイ活動は、英国のほか、米国やカナダ、台湾で顕著に確認されている。

豪州の影のサイバーセキュリティ相であるジェームズ・パターソン氏は11日、豪州議会にも「中国国籍以外のスパイ」が潜り込んでいる可能性が高いと危機感を示した。

ウォール・ストリート・ジャーナルは9月4日、米軍基地やその他の施設に、観光客と名乗る中国人グループが侵入した事例が100件も記録されていると報じた。

こうした事件は決して対岸の火事だとは言えない。同様の事件はスパイ天国と言われて久しい日本で起こってもおかしくないだろう。

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