3月9日、日本初の国産の長射程ミサイルの発射装置が陸上自衛隊の駐屯地に搬入された。写真は米軍艦艇から発射されるトマホーク巡航ミサイル (Christopher Senenk/U.S. Navy/Getty Images)

拡大する日中戦力差 勝算は長距離ミサイルによる「縦深攻撃」=慶應大教授

「(防衛費の対GDP比)2%を確保しても、2030年代前半の日本の防衛力はおそらく中国の軍事費の5分の1程度だろうと考えている」。神保謙・慶應大教授は4月28日に国会参考人として委員会に出席し、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさに言及した。日中間の防衛力を均衡させるのではなく、中国軍に作戦を思いとどまらせることができるよう、自衛隊の攻撃能力を向上させるべきだと訴えた。

神保氏によれば、今までの安全保障政策は、インド太平洋地域における米軍の圧倒的な軍事的優位を前提とするものだった。しかし中国が軍事力を高めるにつれ、中国近海への米軍の接近を防ぐ「A2AD(接近阻止・領域拒否)」能力が向上し、米軍の優位性が損なわれ始めている。

日中間の軍事力の差も年々開いている。中国当局が発表した今年度の国防予算は去年と比べて7.2%増の1兆5537億人民元、日本円でおよそ30兆円だ。2005年頃までは日中の防衛費はほぼ同規模だったが、「GDP比2%を確保しても、2030年代前半の日本の防衛力はおそらく中国の軍事費の5分の1程度」になる試算だ。

▶ 続きを読む
関連記事
立憲民主党の古賀千景参院議員による「豊かな子供は自衛官にならない」との発言に対し、元自衛官の地方議員有志が抗議声明を提出。発言を「自衛官への冒涜」と非難し、謝罪や再発防止を求めた
中国による「歴史ナラティブ戦」や沖縄を巡る認知戦の脅威に対し、日本はどう主権と安全保障を守るのか。16日参院外交防衛委での松田議員と茂木外務大臣の質疑から、日本の対抗戦略を紐解く
トランプ氏の発言に翻弄され、平壌へ駆けつけた習近平。その裏には、北朝鮮の核暴走が招く「日本の核武装」への強い恐怖があった。さらに原潜建造に動く韓国には沈黙せざるを得ない、中国の脆い外交実態を暴く
今、日本はアメリカの傘の下で守られる日本ではなく、日本側が在日米軍を強力に支え、共同で敵の侵略を『拒否』する体制を具体的に構築しており、日本側の能動的な役割と実戦的な備えを強調する段階へ一歩進んでいるといえる
日本政府は近年、台湾海峡の平和と安定が日本の安全保障および国際社会にとって重大な意義を持つと繰り返し強調している。防衛省が近く発表する2026年版『防衛白書』は、中国共産党を日本が直面する「最大の戦略的課題」と引き続き位置づけている」