浸透工作、認知戦、暴力団…中国共産党による今年の台湾工作とは
中国の習近平国家主席は今月20日、北京の人民大会堂で開かれた2023年の「春節団拝会」(旧正月の合同祝賀会)で演説した。習氏の発言から対台湾工作を読み取れば、今年も台湾を国際社会から孤立させ、「統一戦線工作」によってその協力者を増やすことを目論んでいることがわかる。
中国は目下、多国に同時に対抗する能力はまだ持ち合わせていない。昨年の台湾の地方選挙では世論戦などを通じて、民進党の敗北を実現させるなど、一定の影響をもたらした。今年も引き続き「統一戦線工作」と「軍事的な脅迫」は、中国の重要な対台湾工作の主軸となることが予想される。
台湾では2024年、4年に1度の総統選が行われるため、今年は各党の候補者決定から選挙戦に至る「政治の年」となる。内部で激しい交戦が繰り広げられるいっぽうで、中国共産党は台湾内部への浸透や干渉、破壊を行うチャンスを虎視眈々と狙っている。
関連記事
中国企業が高額な給与やペーパーカンパニーを使い、台湾の半導体技術者や先端技術を狙っている。台湾では2021年以降、中国企業17社が違法な人材引き抜きの疑いで捜査対象となった
中国側への軍事機密提供に関与した台湾軍の退役少佐と息子らに、台湾高等法院が差し戻し控訴審で実刑判決。次男には懲役16年、退役少佐には11年6か月を言い渡した
台湾の検察は、NVIDIA製B300搭載AIサーバー74台を中国へ不正輸出したとして関係者8人を起訴した。虚偽書類で出荷承認を得て、約33億円の不正利益を得た疑いがある
台湾の裁判所は、中国共産党(中共)のためにスパイ活動を行ったとして、元軍曹2人に少なくとも7年の懲役刑を言い渡した。民間人の共犯者にも実刑判決を下した。
台湾政府は2027年度予算案で、国防関連支出を前年比18.2%増の1兆1,225億台湾元へ拡大する方針を決定した。GDP比は3%を超え、過去最大規模となる。国民への一律現金給付や社会福祉、公共建設も増額する