市販されている一般的な香りの商品は、電動式のディフューザーなどの圧力や電気で香りを放出しており、物によっては光や火、水や煙で香りを拡散させる製品もあります。
好きな香りを選んだり、香りの拡散効率を考えたりすることに加え、使用時の安全性を見極めることも重要です。そのため、香りを楽しむ空間や場所に適した香りの製品を検討することが重要です。
自分の生活空間や使う季節を見つめ直し、空間やライフスタイルに合わせて、最適な香り製品を選んでください。
家も人と同じで、呼吸が必要
室内の空気環境を整えるには、まず「換気」、つまり空気の循環が重要であり、「グリーンビルディング(環境性能の高い建物)」を構築する上で、換気を良くすることは欠かせない要素です。
そのため、香りの種類にかかわらず、きれいな空気で香りが部屋全体に広がるように部屋の換気に気を配ること、特に燃焼時に一酸化炭素が発生するキャンドルや線香、粉末香などは密閉空間で安全に気をつけるだけでなく、長時間嗅ぎ過ぎないことが大切です。
台湾はその地理的位置によって、夏には南西風や南東風、冬には北東風が吹きます。したがって、建物の主開口部を南側に向け、北側に小さな開口部を設けるのが最適でありこの方位は、夏は南西の風が最も心地よく、冬には冷たい北東の風を防ぐことができます。
方位とは別に、建物の開口部も重要です。空間の給気口、排気口です。ドアや窓の位置、形状、大きさが適切であれば、室内の空気の流れがよくなり、季節ごとの温度差も改善されます。
開口部の大原則:インとアウトの両方
入り口があれば、そこにもう一つ、空気を導くための開口部が必要です。それがなければ、部屋に空気が溜まっていくばかりで、どんどん空気も淀んでいってしまいます。このように、空気の流れを気圧で効果的に導く「ピストンフロー」は、自然換気とも呼ばれます。
また、室内の動線や間仕切りなどが換気経路の妨げになっていると、せっかく開口部を確保しても空気が抜けなくなってしまうので注意が必要です。エアコンをつけていないときに、この原則に従って、自然の空気が家の中のどこから来ていて、どこへ行くのかを観察してみてください。空気の流れに沿って香りの支柱を置くことで、香りを効果的に拡散させることができます。
温度・湿度の出入口に注意する
窓は、玄関ドアとは別に、住まいの中で最も重要な空気交換ポイントであり、温度の出入りが行われる場所でもあります。熱も湿気も上下に移動するため、暖かい空気は空間の上に溜まりやすく、特に天井の高い場所や階段の上などには換気窓を設けるとよいでしょう。
冬場は、窓やドアを閉めていても、この窓を開けておくと、濁った空気や湿気が抜けて、キャンドルやお香などの製品をより安全に使うことができます。
窓には豊富な種類とサイズがありますが、原則として、床から天井まで開く窓は換気面積が最も大きくなっています。揚げ窓や上下に開く窓は換気性がよく、開口サイズや角度を自由に調整できますが、左右に開閉する窓の換気面積は実は半分程度しかないのです。
また、窓は通風だけでなく採光の機能もあるので、遮光にも配慮する必要があります。ブラインドは見た目の美しさだけでなく、通風や遮光を柔軟に調整することができます。
換気はできていますか?
風通しをよくするには、ドアや窓をすべて開け、線香を焚いたりティッシュを持ったりしながら各部屋を歩き、空気の流れを観察することが一番簡単な方法です。ポイントは以下の通りです。
Q ドアを閉めた際、換気できる窓はいくつあるか。
Q 普段はどのドアや窓が開いているのか。
Q パーテーションや家具(高いキャビネットなど)が換気口を塞いでいないか。
Q 一日の多くの時間を過ごす空間は、風通しがよく、快適か。
Q 一日の中で蒸し暑い空間や時間帯はあるか。
Q 窓やドアを開けたとき、キッチンやトイレの臭いが他の居住空間に漏れることはないか。
Q 窓やドアを開けていると、道路や隣人など外部環境のニオイが室内に漂ってこないか。
冷房が必要な場合
空気環境が整い、換気経路が理想的であれば、扇風機と自然の空気で涼しく快適に過ごすことができます。しかし、住宅が道路に近かったり、ビルに囲まれていたりすることが多い首都圏に住んでいると、騒音や大気汚染の問題から、どうしても窓やドアを閉めておかなければならなくなるのです。
また、最近の建物は、高い建物からでも自然がよく見えるようにと窓の開口部が大きく設計されているものが多いですが、この窓は開けにくいことが多くなっています。
そのため、現代の住宅では窓を開けずにエアコンに頼ることもあり、特に夏場はほとんどの住宅でエアコンが必需品となっています。つまり、エアコンの設置場所には特に注意が必要で、戻り風が均一かつ快適に循環するように十分なスペースを確保し、フィルターやエアダクトのメンテナンスと清掃を定期的に行う必要があります。
(つづく)
(翻訳・香原咲)
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