暑い夏になると、愛犬を海辺へ散歩に連れて行ったり、一緒に遊んだりする機会が増えます。しかし、あるドッグトレーナーは、多くの飼い主が知らないまま見過ごしている、子犬の命を奪いかねない危険があると警告しています。この問題は、特に夏場に起こりやすいといいます。
イギリス紙『デイリー・エクスプレス』の報道によると、イギリスコーンウォール州で犬のトレーニングスクールに勤務するドッグトレーナーのサラ・ローズ氏は、ソーシャルメディアに投稿した動画の中で、この問題は暑い時期に特によく見られるため、十分な注意が必要だと呼びかけました。
ローズ氏は、この問題についてこれまで話したことがなく、ほかのドッグトレーナーが取り上げているのも聞いたことがなかったといいます。彼女は、多くの飼い主がすでに知っていることだと思っていましたが、実際にはそうではなかったそうです。
彼女によると、その問題とは、子犬が海辺で砂を誤って飲み込んでしまう「砂塞症(砂が腸内にたまって詰まる状態)」です。彼女自身、人生の大半を海辺で暮らしてきたため、この問題については以前から知っていました。しかし最近、飼い主とともに休暇で海辺を訪れた2匹の犬が重症化するケースを目の当たりにしたといいます。
彼女は「砂の誤飲は、間違いなく子犬の命を奪う可能性があります」と語っています。
アメリカニューヨークのシュワルツマン動物医療センターによると、砂の誤飲は命に関わる病気を引き起こすことがあります。海辺で遊ぶ犬は、気づかないうちに大量の砂を飲み込んでしまうことがあり、その砂が腸管を塞ぎ、ソーセージ状の閉塞物を形成する場合があります。
ローズ氏は、部分的な閉塞がやがて完全な閉塞へ進行することがあり、最も深刻なケースでは腸への血流が妨げられ、最終的に子犬が死亡することもあると説明しています。
砂を誤飲した場合の症状は、数時間後から数日後に現れることがあります。主な症状には、嘔吐、食欲不振、無気力、落ち着きのなさなどがあります。海辺へ連れて行った後にこうした症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。

なぜ砂を誤飲するのか?
ローズ氏によると、海辺で犬が特に好む2つの行動があり、それが砂の誤飲リスクを高めています。飼い主は、これらの行動に十分注意する必要があります。その2つとは、ボール遊びと穴掘りです。
ボール遊びについて、彼女はテニスボールの使用を避けるよう勧めています。代わりに、表面が滑らかで砂が付きにくいボールを使うべきだといいます。そうすることで、砂がボールの毛羽立った表面に付着するのを防げます。また、犬が遊ぶ際には適度な休憩時間を設けることも重要です。
彼女は次のように話しています。
「休憩中には、浅い水場や持参した水でボールを洗ってください。砂だらけのボールで遊ばせ続けてはいけません。また、必ず清潔な容器で新鮮な水を飲ませてください。きれいな水は、口の中の砂を洗い流してくれます」
一方、穴掘りについては、海辺でこの行動をする犬を頻繁に見かけるといいます。一見無害に思えるかもしれませんが、犬が大量の砂を飲み込み、飼い主が気づかなかった場合、その結果は深刻なものになりかねません。
このドッグトレーナーはこう説明しています。
「残念ながら、これは犬が砂を飲み込む最も危険な方法の一つです。砂を後方へ蹴り上げることで、大量の砂が喉の奥まで入り込んでしまうからです。そのため、海辺で犬が砂を掘り始めたら、必ずやめさせてください」
さらに彼女はこう続けます。
「その行動を別の行動に置き換え、新しい習慣を身につけさせてください。それでもやめない場合はリードを付け、飼い主と一緒に座って休ませ、新鮮な水を与えるようにしてください」

砂の誤飲の診断と治療
シュワルツマン動物医療センターによると、砂の誤飲を診断するには、身体検査と各種検査を組み合わせる必要があります。獣医師はまず腹部を触診し、痛みや閉塞の有無を確認することがあります。その後、X線検査や超音波検査などの画像診断を行い、消化管内に砂が存在するかどうかを調べます。また、血液検査によって全身状態を評価し、脱水や電解質異常の有無も確認します。
犬を受診させる際には、最近海辺へ連れて行ったことを獣医師に伝えると、正確な判断や診断の迅速化に役立ちます。
治療法は、腸内にある砂の量や症状の重さによって異なります。多くの犬は入院し、点滴による静脈輸液や吐き気止めの投与を受けながら、砂が大腸へ順調に移動しているかを確認するため、繰り返しX線検査を受けます。
数百万粒もの汚れた砂を手術で取り除くことは感染リスクを伴うため、獣医師は可能な限り外科手術を避けようとします。幸いなことに、多くの犬は薬物治療に良好に反応します。
「予防は治療に勝る」という言葉があるように、犬を海辺や砂地で遊ばせる際には、必ず目を離さず見守り、砂を飲み込まないよう注意してください。
なお、犬は日常生活でも土を掘ったり、土を食べたりすることがあります。これは一般的には正常な行動と考えられていますが、寄生虫や殺虫剤、あるいは体に害を及ぼしたり腸閉塞を引き起こしたりする異物を誤って取り込む可能性があります。そのため、このような行動は放置せず、食事内容の見直しや見守りの強化、環境の改善などによって防ぐことが大切です。
(翻訳編集 井田千景)
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