米国のハリス副大統領は13日、バイデン大統領がホワイトハウスで開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議で、米国は東南アジア地域を優先事項と見なしているとし、何世代にもわたりこの地域にとどまると表明した。ワシントンで撮影(2022年 ロイター/Elizabeth Frantz)

米・ASEAN首脳会議、関係を格上げ 「新時代」とバイデン氏

[ワシントン 13日 ロイター] – 米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は13日、ワシントンで首脳会議を開き、今年11月に双方の関係を「戦略的パートナーシップ」から「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることを盛り込んだ共同声明を発表した。

バイデン米大統領は、今回の会議はASEAN10カ国と米国の「新時代」の幕開けになると述べた。

ASEANは昨年、オーストラリア、中国とも包括的戦略パートナーシップに関係を格上げしている。

ワシントンにあるシンクタンク、米戦略国際問題研究所の東南アジア専門家、グレゴリー・ポーリング氏は「具体的にはあまり変わらないが、象徴的に重要」と指摘した。

首脳らはウクライナ情勢について協議し、「主権、政治的独立、領土の一体性の尊重」を改めて訴えた。ウクライナに侵攻にしたロシアを声明の中で名指しで非難することは避けたが、ポーリング氏は、過去のASEANの声明よりも踏み込んだ表現になったと分析した。

バイデン大統領は「向こう半世紀の世界史の大部分はASEAN諸国で作られる」とし、「米国とASEANの関係において、新たな時代が始まる」と述べた。

これに先立ちハリス米副大統領は、米国は東南アジア地域を優先事項と見なしているとし、「インド太平洋国として米国は何世代にもわたり東南アジア地域にとどまり、関与し続ける」と表明。「米国とASEANはビジョンを共有しており、共に国際規範への脅威から防衛していく」と表明した。

しかし、バイデン、ハリス両氏とも中国を名指しすることはなかった。

米・ASEAN首脳会議は12日にバイデン大統領がホワイトハウスで主催した夕食会で開始。米国はインフラ改善やパンデミック(世界的大流行)対策などに総額1億5000万ドルの支援を確約した。

関連記事
2024年の米副大統領候補討論会では、バンス氏とウォルツ氏が対中政策を巡って鋭く対立した。バンス氏は中国共産党の経済的脅威に対抗する強硬派であり、米労働者を守ると誓う一方でウォルツ氏は中国との協力関係を重視し、穏健な立場を取る。両候補の政策が米国の将来に大きな影響を及ぼす可能性がある
10月1日夜、アメリカ副大統領候補によるテレビ討論会がニューヨークで行われた。90分間の討論では、アメリカ南東 […]
米国商務省が中国の脅威に対応し、AIチップの輸出規制を強化。データセンターは申請を義務付け、最先端技術の保護を図る。
アメリカ上院議員トム・コットンらが、米中間の「永久正常貿易関係」終了を提案する法案を提出。中国製品に段階的に最大100%の関税を課す計画も。
メラニア・トランプ氏は、夫トランプ前大統領が今年夏に2度の暗殺未遂を奇跡的に生き延びたことを語った。彼女はこの経験を振り返り、特に7月13日の事件でトランプ氏が危うく命を落とすところだったことに感慨深い思いを表現している。