現代人は、毎日やることが多く心配事が尽きません。長時間労働、睡眠不足、ひいては昼夜逆転までしており、加えて不規則な食事、あらゆる生活ストレスが現代人を心身ともに疲労させ、それが不眠、記憶力低下、焦燥、恐怖感、うつなどの原因となっています。
多くの人が、休養や睡眠をたくさんとれば疲れが取れると思っていますが、実際にはあまり効果がありません。それはどうしてでしょうか。
疲労の原因はさまざまであり、適切な治療を行うためには、自分がどのタイプの疲労に悩まされているかを理解することが重要です。原因によって、疲労は大きく5つに分類されます。
1 生理的疲労
生理的疲労、つまり肉体的な疲労は、体が酷使され、労働によって生じた代謝物を適切に処理できなくなることで起こります。老廃物が体内に蓄積されると、筋肉の痛みや辛さが増し、組織や臓器に十分な栄養が行き渡らなくなるため、体力が低下し、疲れやすくなるのです。
このような肉体的な疲労は職業病であることが多く、特定の姿勢を長時間維持したり、特定の動作を行ったりすることで発生することがあります。そのため、肉体疲労を改善するためには、正しい姿勢を保ち、休憩時間に筋肉や骨をよく動かして、肉体疲労の予防と解消に努める必要があります。
2 精神的疲労
精神疲労の主な原因は、長期的な精神的ストレスです。このような疲労は、休息や睡眠だけではうまく解消できず、ストレスや抑圧された感情を解放するために、心身ともに総合的に調整する必要があります。つまり、心の結びつきを見つけ、その乱れを完全に解消し手放すことが、心の疲れを取り除き、健康を回復するために必要なのです。
3 脳疲労
脳疲労とは、長時間何かを考えたり、集中したりすることで生じる疲労感のことです。脳を酷使することで酸素を大量に消費し、その結果、脳への酸素供給が不足し、二酸化炭素の代謝がうまくいかなくなるのです。脳の疲労で、めまい、頭痛、吐き気、記憶喪失などの症状が現れることがあります。
立って胸を広げる深呼吸をして肺にたくさんの酸素を取り込み、首を回すなど頸椎を動かしたり髪をとかしたりして脳に素早くスムーズに血液を流し、脳の疲れを解消します。しかし、一番良いのは、生活のペースを再調整し、仕事量と休息時間を見直し、両者のバランスをとることです。
4 主観的疲労感
主観的疲労とは、「疲れきっている」状態、自分自身や他の何に対しても無力感を感じている状態と言えます。 主観的疲労は、個人的な感情によって引き起こされることも多く、一時期、非常に熱心に仕事に取り組んでも、その努力が報われなかったり、認められなかったりして、ある時期から徐々にその熱意やモチベーションが失われていくことはよくあることです。
今こそ、情熱を再び燃やし、他の活動に注意を移す。あるいは仕事のスタイルや学習スタイルを変えるべき時なのです。それよりも、他人の目を気にしすぎず、自分の趣味のために生き、「こだわりを捨てる」姿勢を身につけることが大切なのです。この種のつらさから解放されるには、これしかありません。
5 偏食による疲労感
偏食疲労は、ある種の食品を長期的に好んだり、ある種の食品を摂らなかったりして、栄養のバランスが崩れた結果生じるものです。
「黄帝内経」には「五穀は養、五果は助、五畜は益、五菜は充実、合理的に組み合わせて食べ、精気を補給する」とあり、バランスの良い食事の重要性が強調されていますが、「合理的に組み合わせる」とは、人の体はそれぞれ陰陽の偏りがあり、寒がりの人もいれば、暑がりの人もたくさんいます。ですから、病気にならないためには、自分の体質に合った食事をすることが大切です。
(翻訳・李明月)
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