病院が臨時医療施設に、点滴中の患者を強制的に退院=中国上海

中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大が続く上海で、浦東新区の「周浦医院」は20日、入院患者を突然強制的に追い出し、隔離施設としての運営が開始した。

上海市では大規模なPCR検査を実施し、毎日大量の無症状感染者が確認されている。周浦医院のような予備用施設でも隔離の必要な感染者の収容が始まっている。

中国の医療情報交流サイト「丁香園」は、周浦医院の看護師である王さん(仮名)の話として、「臨時医療施設として使用されるという通知が届いてから感染患者の収容開始までに、半日もかからなかった」と伝えた。

病院側は「治療を必要としない軽症患者だけを収容する」と説明しているが、王さんは収容患者の急変を懸念している。

「医師は市民のPCR検査に駆り出されている。感染者のいる汚染区域に入れるのは看護師だけだ」とする病院側の対応に不満を漏らした。

施設に入る医療スタッフの危険手当については、院側は「臨時医療施設は政府の管轄で、手当については不明だ」としている。「医療従事者が直面する感染の問題」についても、院側は回答を避けた。

大紀元の記者は周浦医院に電話をかけたが、返事は得られなかった。区の保健当局の電話も通じなかったという。

「周浦医院の院長は同院の医療スタッフや周辺住民に知らせずに、ひそかに病院を臨時医療施設に変えた。20日に突然、手術を終えたばかりのまだ点滴中の患者や透析患者らを強制退院させた」と地元住民の胡さんは話した。

病院側の急進的なやり方に不満をもつ看護師らはストライキを展開している。

現在、同院の看護師と連絡がとれなくなっているという。「病院に閉じ込められたのだろう」と胡さんは推測した。

上海政府は23日、4人の感染患者と977人の無症状感染者が確認されたと発表した。ただ、実際の感染者は8000人にのぼるという情報もあるが、当局はこれを否定している。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
時にはバカになることも必要?中国の若者の「瘋遊」ブーム
大型連休中の中国、著名景勝地の「公衆トイレ」で夜を明かす観光客。
中国の飲食店で食事した女性が「使用した食器類をお持ち帰り」した。そのわけは?
1949年に中国共産党(中共)が政権を樹立して以来、今年の「10・1連休」で75年が経過した。しかし、この政権の合法性は常に疑問視されてきた。過去の中共指導者たちは、「成果」を掲げてその合法性を正当化しようとしたが、現在の経済低迷の中で、このような言い訳はまだ中国本土の個人や団体を納得させることができるのだろうか? 
ファーウェイが世界初の「三つ折りスマホ」 が先月下旬に発売し注目浴びるも、開始直後からトラブルが相次いでいる。サムスンのパクリ疑惑や購入後1か月で液漏れなど…