一見、枯葉のように見えますが、よく見ると、目や触角、足が鋸歯状になっているのがはっきりとしています。これは小型のカマキリ、亡霊カマキリ(ゴースト・マンティス)であることが分かります(Mydriatic / CC BY-SA 4.0)

枯葉などに紛れ、確実に獲物を仕留める変装ハンター 亡霊カマキリ

亡霊カマキリ(ゴースト・マンティス)はアフリカのマダガスカルに生息します。 変装の達人です。 丸まった手足と赤茶色の体は、周りの枯に紛れています。 学名のフィロクラニア・パラドクサは、ギリシャ語で「葉」を意味する言葉に由来しており、外見はまさにその名の通りです。

亡霊カマキリは、カメレオンのように自分の居場所や気象条件によって、その環境に適した色に変化します。 研究の結果、高温・低湿の場所では枯葉のような茶色、低温・高湿の場所では緑色になることが分かっています。

コオロギやコバエ、テントウムシなどを捕食してきた亡霊カマキリは、生きた餌しか食べないので、その意味で非常に偏食家と言えますね。

ただ性格は忍耐強く、断固として獲物を追いかけず、静かに絶好のタイミングを待ち、いざ狩りに入ると飛び上がり、爪で素早く捕える、その様子は老練なハンターのようです。

トンボを捕食する亡霊カマキリ(Shutterstock)

このカマキリは葉っぱのように見えるだけでなく、時にはわざと風に揺られて狩りをしたり、逃げたりする行動も似ています。

天敵である低空飛行の鳥に対しては、鳥に気づかれないように木の枝や葉の上にじっと隠れて死んだふりをすることもあります。

亡霊カマキリは、小型で静かな種です。 体長は最大でも2インチほどしかなく、オスとメスの差はほとんどなく、他のカマキリと同様にメスの方が大きいです。

このカマキリは一度に30匹以上の子供を産み、その姿は親というよりアリの子供のコロニーに似ています。

寿命の長く、ユニークな生態から自宅で亡霊カマキリを飼育すること人も少なくありません。

(翻訳・井田千景)

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