中国語の「橙子(チェンズ)」は、日本でいう果物の橙(だいだい)に当たります。
日常よく食べられる温州ミカンとは別種のもので、つい混用されがちですが、正月飾りや鏡餅に乗せられるのは本来この橙のほうです。
さて、この橙(だいだい)という柑橘類は、どんな果物なのでしょうか。
結論から言うと、栄養豊富で理想的な果物なのですが、日本で生産されるものについては酸味と苦味が強いため、ミカンのように直接食べることには向いていません。
ただし台湾では、品種の違いによると思われますが、橙子は子供から大人までよく食べられる人気の果物の一つになっています。
ただ、いずれにしても橙は健康効果の高い果実で、豊富な食物繊維とともに、ビタミンC、ゼアキサンチン、ルテイン、β-クリプトキサンチンなど健康に有益な栄養素、あるいはカリウム、マグネシウム、リンなどの微量ミネラルが含まれています。
なかでもβ-クリプトキサンチンは、一種のカロチンであり、フリーラジカルによる体の酸化を防止するなど、高い抗酸化作用を有しています。そのため、抗がん効果も期待されています。
また、橙に含まれるゼアキサンチンやルテインは、特に眼に良いとされる物質で、水晶体や網膜を保護するはたらきがあります。パソコンやスマホを長時間つかった際の、ブルーライト(青色光)による眼へのダメージを軽減します。
これらの栄養素やミネラルは、果肉だけでなく、表皮や内皮にも含まれているので、食物繊維をむだなく摂取するという意味も合わせて、果実全体を食用に利用したいものです。
その際は、果実を搾ってジュースにしてもいいのですが、搾りかすを除去しないで一緒に飲むことと、砂糖は加えず、天然素材の味に慣れるようにしましょう。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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