生き延びるために最適な立ち泳ぎの方法が研究で判明

一般的な4種の水中での立ち泳ぎを比較した新しい研究で、「卵泳ぎ」(egg beater technique)が事故の際に生き残るための最も効果的な方法であるという結論が出されました。

水上歩行が得意な21人の方々がこの実験に参加しました。プールの中で3分間、4つの方法でそれぞれ立ち泳ぎしました。研究者たちは、酸素摂取量、呼気中の二酸化炭素量、心拍数を機器でモニターしました。立ち泳ぎの最初の1分間は、認知能力を評価するための質問がコンピューター画面上に表示され、参加者はそれに答えていきました。

4種類の立ち泳ぎは、「水の中を走る」「自由形立ち泳ぎ」「直立型平泳ぎ」「卵泳ぎ」です。自由形立ち泳ぎは、自由な足の動きで、上下に水を踏む方法です。卵泳ぎは、平泳ぎの足かきと同じですが、平泳ぎの同時足かきではなく、左右交互にかきます。

その結果、卵泳ぎが最も効果的であり、次いで直立型平泳ぎが効果的であることがわかりました。

主な研究者であるニュージーランド・オタゴ大学のティナ・ヴァン・ダイン氏は、「卵泳ぎが最も効果的なのは、休止期がなく交互に立ち泳ぎを行うため、水中で常に体を持ち上げる力が生じるからではないか」と述べています。

このため、直立型平泳ぎは、間があることを除けば、それに次ぐものです。両手でかく動作を組み合わせると、卵泳ぎに近い効果が得られます。ただし、卵泳ぎの最中に手を振って助けを求めたり、水面にあるものに合図を送るなど、両手を自由に使うことは可能です。

ランニングやフリースタイル・トレッキングについては、より多くの体力を使い、より多くの脳への注意が必要であることが、今回の研究で明らかになりました。

ヴァン・ダイン氏は、今回の研究結果は、パニックや極度の疲労、マルチタスクといった状況下で、人が水を踏むための最もエネルギー効率の良い、効果的な方法を示唆していると述べています。「これは水の安全教育の基本中の基本です」。

この研究は、8月20日付の学術誌『Frontiers in Physiology』に掲載されました。

(翻訳・井田千景)