パパイヤは「良いことだらけの果物」がん予防から抗酸化まで

中国語で「木瓜(もっか)」。別名「万寿果」と呼ばれるパパイヤ(パパイア)は、夏と秋に甘みが強く、風味だけでなく豊かな栄養を摂取できる果実です。
 

まさに「薬いらず」の万能フルーツ

南国の果物ですので、沖縄や鹿児島を除いては、あまりなじみがなかったフルーツですが、近年ではネット購入することもできます。

寒さ対策さえすれば、ホームセンターで園芸用の苗木を買ってきて、自家の庭で結実させることも可能です。

さて、つよい甘味と独特の風味のあるパパイヤには、優れた抗酸化作用があり、心臓血管を保護し、慢性炎症を改善し、がん予防の効果もあります。

まさに栄養の宝庫であるパパイヤは、リコピンビタミンAβ-カロチン、ビタミンCなどの抗酸化物、および葉酸、パパイヤ塩基、有機酸、カリウム、パパイヤ酵素など各種の栄養素を多く含みます。

パパイヤのもつこうした栄養素は、炎症反応を抑えるだけでなく、体内の老廃物を除去するデトックス(解毒)を促進するのです。

β-カロチンにはがん予防効果があり、同時に目を保護して、フリーラジカルからの傷害を回避します。リコピンとビタミンCには心臓疾患を予防する効果があります。

また、リコピンには悪玉コレステロールの酸化を減少し、動脈硬化のリスクと心血管疾患の発生率を低下させる効果が期待できます。

さらに驚いたことに、2014年に英国の栄養学の専門誌に掲載された研究によると、パパイヤのβ-カロチンやリコピンは、ニンジンやトマトなどの同じ栄養よりも、体内での吸収が良く、健康に利用されやすいことが指摘されています。

パパイヤ酵素は、腸内の消化を助けて排便をスムーズにします。
実際、消化不良や排便の不調など、消化器系で困ったことがあれば、パパイヤを食べると改善することが多いのです。

パパイヤには特殊なパパイヤ酵素が含まれており、肉を調理する際にパパイヤを加えると肉を軟らかくするとともに、体内での消化を助け、タンパク質や油脂などの栄養を吸収しやすくします。パパイヤは食物繊維も豊富で、胃腸の動きを活発にします。
 

おいしいパパイヤの見分け方

おいしいパパイヤを選ぶには、2つのポイントがあります。それはヘタと色です。
買ってすぐに食べるなら、ヘタの近くが軟化した果実を選んでもいいです。

皮は黄赤色で、滑らかで柔らかく、擦り傷や病虫害がないことを確認してください。しかし、パパイヤは柔らかく熟したら、なるべく早く食べ終えるようにします。
しばらくは冷蔵庫に入れて保存できますが、とにかく熟したあとは腐りやすいので、風味を損なう前に食べるか、料理に使うかして消費するようにしましょう。

パパイヤが新鮮かどうかを判断するには、表皮を見てください。
少しネバネバしているか、または白い顆粒状の結晶があれば、それは新鮮な証拠です。これはパパイヤが自然に分泌するペクチンです。

また、パパイヤの表皮に斑点があるのは問題ありませんが、斑点が密集していると、内部が熟れすぎて腐っている可能性もあります。

パパイヤは収穫後も熟れる果物です。色が緑でまだ完熟していないパパイヤを購入した場合は、冷蔵庫には入れず、室温で熟成させましょう。

パパイヤを食べると、このような多くのメリットがありますよ。ぜひお試しください!
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)