( amnarj2006 / PIXTA)

1752年にイギリスが11日間消滅した理由は?

1752年9月3日から13日まで、イギリスでは誰も生まれず、死なず、結婚せず、働かず、戦争も天災も人災も何もなかった。 実際、イギリスのカレンダーには11日という日は存在せず、人々は9月2日の夜に寝て、翌朝14日に起きていた。 なぜイギリスはいきなり11日も消滅したのでしょうか?

それは、イギリスのカレンダーが変わったためでした。1752年9月2日まで、イギリスではギリシャの数学者・天文学者であるアレキサンドリアのソシゲネスが考案したユリウス暦が使われていましたが、その後、ユリウス暦は修正され、イタリアの医師・哲学者であるアロイシウス・リリウスが考案したグレゴリオ暦が使われるようになったのです。

timeanddate.comで1752年9月と入力して当時のカレンダーを見てみると、月が2日から14日まで直接ジャンプしており、3日から13日までがカレンダーに現れていないことがわかります。

この年、イギリスはなぜ新暦を採用したのでしょうか? それは、ユリウス暦の原型が作られたとき、1年は365日と6時間だと考えられていたため、4年ごとに閏日を設けて、1年に足りない6時間を補っていたからです。

しかし、地球が太陽を一周する正しい時間は365日と5時間48分なので、ユリウス暦はあまり正確ではなく、時間の経過とともに累積誤差が大きくなっていきました。

1751年にイギリス議会が法律を制定してから、イギリスとその植民地であるアメリカ、カナダ、オーストラリアは、グレゴリオ暦に切り替えられ現在に至っています。

また、グレシア暦では4年に1度、2月末に閏日(2月29日)が設定されていますが、すべての世紀末(100で割り切れる年)が400で割り切れる場合を除き、閏日は設定されていません。 そのため、グレゴリオ暦では400年に97回の閏日しかなく、ユリウス暦に比べて3回も少ないのです。

(翻訳・井田千景)

関連記事
寒い季節こそ、ゆったり過ごし心身を整えるチャンス。睡眠や食事、メンタルケアで冬を快適に楽しむ方法をご紹介します。
50年以上前から次世代の食料として研究されてきたオキアミ(プランクトン)。クジラなどの海洋性生物にとっては生存のための原初的な存在だ。そのオキアミからとれるオメガ3が注目されている。本文にあるようにオメガ3は人の健康にとっても有益なものだ。クリルオイルは、オメガ3と抗酸化成分が豊富で人気のある健康補助食品。フィッシュオイルに比べてコストが高い点が難点だが……
仏に対抗しようとした調達が、暗殺未遂や陰謀を重ねた末、地獄に堕ちるまでの報いの物語。
「犬に散歩される」気の毒な飼い主たち、笑っちゃってゴメンの面白動画→
過度な運動や減量で陥りやすい「低エネルギー可用性」。エネルギー不足が体に与える影響とその対策について、専門家のアドバイスを交え解説します。