9月28日、政府は、専門家らによる基本的対処方針分科会に、今月30日に期限を迎える19都道府県の緊急事態宣言を全面解除する諮問案を提示した。写真は昨年8月、都内で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

緊急事態宣言を全面解除へ、時短要請は最長1カ月継続 政府分科会が了承

[東京 28日 ロイター] – 政府は28日、今月30日に期限を迎える新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の全面解除を専門家らに諮問し、了承された。リバウンド回避を目的とする飲食店への時間短縮要請を最長1カ月延長し、段階的に緩和する政府案も大筋で了承された。

基本的対処方針分科会の終了後、西村康稔経済再生担当相が記者団に明らかにした。菅義偉首相自ら解除の理由などを国会に報告し、午後5時から開催する政府対策本部で正式決定する。菅首相は午後7時から記者会見する。

解除するのは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、大阪、兵庫、福岡、沖縄、北海道、岐阜、愛知、三重、滋賀、広島の19都道府県に適用している緊急事態宣言。新型コロナ対応の特別措置法に基づくまん延防止等重点措置を適用している石川、福島、熊本、香川、鹿児島、宮崎、宮城、岡山8県も対象地域から除外する。

西村担当相は分科会で、新規陽性者数の減少や病床使用率の改善などを理由に「30日をもって緊急事態宣言を解除したい。まん延防止措置の対象にもしない」と述べて専門家に政府案を諮った。緊急事態宣言、重点措置ともに適用しない状態に戻るのは4月4日以来となる。

<感染再拡大なら「機動的に対応」>

一方、西村氏は分科会で、宣言解除に伴う早期リバウンドを防ぐため「必要な対策は継続する」と語った。「マスク着用などの基本的な感染対策は維持、徹底していただきたい」とも呼び掛けた。

飲食店への時短要請に関しては「1カ月までをめどに段階的に緩和する」とした。感染対策を徹底していると認証された飲食店は午後9時、非認証店は午後8時までを基本とし、感染状況に応じて都道府県知事が判断する。いずれの店舗も酒類提供は認める。

時短要請に応じた飲食店には協力金を支給し、引き続き国が財源の8割を支援する。イベント開催に関しても、向こう1カ月を経過期間として収容定員50%以内または最大1万人とする。

西村氏は分科会終了後、「(宣言解除で)様々な活動が活発になれば必ず感染が増える。冬の寒い時期に再び感染が拡大していくことに備えなければいけない」と記者団に語った。

感染再拡大や医療提供体制が逼迫する兆候がみられれば「重点措置の適用を含め、必要な対策を機動的に行っていく」との考えも併せて述べた。

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