国会議員20人あまり、対中人権非難決議に意気込み 高市氏や下村氏ら自民党総裁候補も出席
8月26日、秋の臨時国会で対中人権非難決議を成立させるべく、人権問題を扱う複数の議員連盟の会長など20人以上の国会議員が参議院議員会館で集会を行った。中国で人権弾圧の被害を受けている各団体も出席し、議員らと意見交換した。集会には自民党の総裁選に出馬する高市早苗議員と下村博文議員も参加、中国人権問題を取り上げる意義を強調し、決議案を推進していく意気込みを示した。
進行役を務めた長尾敬衆議院議員によると、議員出席は23人、秘書の出席は14人。会場には国会議員の他、チベットやウイグル、南モンゴルなどの団体の代表者が出席した。法輪功学習者らの臓器強制摘出問題を取り上げるSMGネットワークも会議に参加した。
集会に参加した国会議員からは、対中人権非難決議が可決されれば、人権侵害者に経済制裁を課すマグニツキー法日本版をはじめとする各種人権問題対処法の制定を加速できるとの意見もあった。
古屋圭司衆議院議員「中国に対してはっきりものを言う」
日本ウイグル国会議員連盟で会長を務める古屋圭司衆議院議員は、中国における人権侵害は目を覆うものであると述べた。
そして以前中国大使から脅迫状が届いたエピソードを紹介し、中国に対してはっきりものを言わなければ、なにも始まらないと訴えた。
下村博文衆議院議員、決議の不成立は「恥ずべきこと」
日本チベット国会議員連盟の会長である下村博文衆議院議員は、先の国会で対中人権非難決議を可決に持ち込めなかったことは国会議員として忸怩(じくじ)たるものであり、恥ずべきことであると述べたうえで、「申し訳ない」と陳謝した。
さらに、人権や自由、民主主義、法の支配などの価値観を共有する国々が連携し合うことが大切であると語った。そして、権威主義や膨張主義によってそれらの価値観が脅かされることは、世界共通の危機としてとらえる必要があると強調した。
高市早苗衆議院議員「人権は内政問題ではない」
南モンゴルを支援する国会議員連盟で会長を務める高市早苗衆議院議員は、ミャンマーに対する非難決議が通ったにも関わらず対中人権非難決議が採択されなかったことは、「国際社会に対して、日本は人権侵害に全く関心を持っていないという誤ったメッセージを送ることになる。これだけは避けなければならない」と警鐘を鳴らした。
そして、人権問題を内政問題としてとらえる中国共産党の主張を一蹴した。「日本で働き、学んでいる中国の人々はつらい思いをしている。間接的な迫害を受けたり、時には身の危険を感じることもある。日本の国内法で守る必要がある」と訴えた。
中谷元衆議院議員「抗議を継続する」
人権外交を超党派で考える議員連盟で共同代表を務める中谷元衆議院議員は、中国共産党政権が香港版国家安全法を施行して以来、有罪判決が出るなど事態がますます厳しくなっていると述べた。そして、これからも抗議していく姿勢を示した。
山尾志桜里衆議院議員「人権は西洋の押し付けではない」
同じく共同代表の山尾志桜里衆議院議員は、日本の国会議員に対しマグニツキー法の推進を提起した香港人が有罪判決を受けたことに触れた。そして、人権は西洋の押し付けではなく、普遍的な価値観であると強調した。
松原仁衆議院議員「人権デューデリジェンスの実行を」
人権外交を推進する議員連盟で会長を務める松原仁衆議院議員は、マグニツキー法を制定し、デューデリジェンスを実行することが大切であると訴えた。
松原議員は、中国の人権侵害をジェノサイド認定していない欧米諸国でも、サプライチェーンにおいて強制労働の関与の疑いのある産品を輸入しないという明確な意思を示していることを取り上げ、「この意思表示が、国家の人権尊重におけるリトマス試験紙である」と指摘した。そして、各人権団体が一致団結して、「日本は戦う人権支援国家である」ことを内外に示すべきであると述べた。
(王文亮)