【歌の手帳】行きなやむ
行きなやむ牛の歩みに立つちりの風さへあつき夏の小車(玉葉集)
歌意「真夏の炎天下。荷車を引く牛の歩みは重く、行き悩んでいるようだ。その車が巻き上げるのは、乾いた地面から立つ土ぼこり。風さえも熱気を帯びていて、よけいに暑さを感じさせる」。
藤原定家(1162~1241)の歌です。平安貴族による栄華の時代から二百年が下ったこの頃には、何やら夏の風景までが気だるさを思わせます。歌中の「小車」は、貴人が乗る牛車(ぎっしゃ)ではなく、庶民がつかう荷車と思われます。
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。