冷えと乾燥に負けない

免疫力を高める 寒い季節に食べる抗炎症食品 10 選

日々の食生活を工夫するだけで、肺から毒素を排出し、免疫力を向上させることが可能です。以下の10種類の食品は、肺を浄化し、抗炎症効果を持つとされており、日常生活に簡単に取り入れることができます。

伝統的な中国医学では、白キクラゲ、黒キクラゲ、レンコン、ウコン、ショウガ、クコの実、ナシ、ナツメ、クルミ、ハチミツが肺を養う食品として知られています。これらは肺を潤し、冷たいの季節に特に役立つとされています。現代医学の研究でも、これらの食品が抗酸化作用、抗炎症作用、そして免疫システムを強化する効果を持つことが確認されています。これらの食品を日常的に摂取することで、免疫力を高め、健康的な冬を過ごすサポートができるでしょう。

 

1. 白キクラゲ

白キクラゲは、中国伝統医学において、体液を補い、肺を潤す天然の食品として特に乾燥した季節に推奨されています。このキノコには多糖類が豊富に含まれており、抗酸化作用や免疫力向上の効果が期待されています。

白キクラゲと梨の煮込みスープ

材料:

  • 白キクラゲ 1枚
  • 梨 1個
  • 氷砂糖(お好みで調整)

作り方:

  1. 白キクラゲを水で戻し、柔らかくなったら小さくちぎります。
  2. 梨の皮をむき、芯を取り除いてさいの目に切ります。
  3. 鍋に白キクラゲと氷砂糖を入れ、水を加えて1時間煮込みます。
  4. 梨を加えてさらに数分間、弱火で煮込みます。

 

2. レンコン

レンコンはビタミンCなどの抗酸化物質を豊富に含み、肺を浄化し、痰を取り除き、免疫力を高める効果が期待される食品です。特にレンコンや赤・黄ピーマンには多くのビタミンCが含まれており、研究では、食事から摂取するビタミンCが肺がん予防に役立つことが分かっています。ただし、ビタミンCのサプリメントでは同様の効果は確認されていません。

レンコンと赤・黄ピーマンの炒め物

材料:

  • レンコン 小2本
  • 赤ピーマン 1個
  • 黄ピーマン 1個
  • ニンニクのみじん切り 少々
  • 塩(お好みで)

作り方:

  1. レンコンを洗って薄切りにし、赤と黄のピーマンを細切りにします。
  2. 鍋に少量の油を入れ、弱火でニンニクを炒めて香りを立たせます。
  3. レンコンを加えて炒め、少量の水を加えながらさらに炒めます。レンコンがやや透明になったらOKです。
  4. 赤と黄のピーマンを加え、塩で味付けし、さらに1分間炒めて火を止めます。

 

3. 黒キクラゲ

黒キクラゲは、食品としての栄養価だけでなく、薬用効果も期待される食材です。肺を潤し、体内の余分な熱を取り除くとされ、特に鉄分、食物繊維、多糖類を豊富に含むことで知られています。これにより、免疫力を高め、感染予防に役立ちます。研究では、黒キクラゲ抽出物が肺がん細胞の増殖を抑制し、肺のフローラ(微生物環境)を改善する効果があることも示されています。

黒キクラゲのサラダ

材料:

  • 乾燥黒キクラゲ 大さじ1と1/2
  • ニンニク 2片
  • きゅうり 半分
  • 米酢 大さじ2
  • 醤油 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • 塩(お好みで)

作り方:

  1. 黒キクラゲを約2時間水に浸し、根元を切り落としてよく洗います。
  2. 沸騰したお湯で3分間ゆでた後、冷水で洗い、水気を切っておきます。
  3. ニンニクを刻み、きゅうりを細切りにして、黒キクラゲと一緒にお皿に盛り付けます。
  4. 別のボウルに米酢、醤油、砂糖、ごま油を入れてよく混ぜ、サラダにかけます。
  5. お好みで塩を加えて味を調えたら完成です。

 

4. 梨

梨はビタミンCなどの抗酸化物質を豊富に含み、痰を減らし、肺を潤す効果が期待される果物です。特に乾燥した季節に適しており、呼吸器系の健康をサポートします。研究によれば、梨にはポリフェノールやフラボノイドが豊富に含まれており、これらがアレルギー症状を改善し、喘息などの呼吸器疾患の治療に役立つ可能性が示されています。

梨の氷砂糖煮

材料:

  • 梨 1個
  • 氷砂糖 大さじ1
  • クコの実 少々

作り方:

  1. 梨の皮をむき、種を取り除いて一口大に切ります。
  2. 鍋に梨、氷砂糖、クコの実を入れ、水を加えます。
  3. 弱火で20分間煮込みます。

 

5. クルミ

中国伝統医学では、クルミは肺を温め、咳を和らげ、腎臓を養う効果があるとされています。さらに、クルミはオメガ3脂肪酸やポリフェノールといった抗酸化物質を豊富に含み、肺の炎症を軽減する助けになります。研究では、毎日約28~56gのクルミを食べた高齢者が、2年後に炎症性バイオマーカーが大幅に減少したことが確認されています。

オメガ3脂肪酸は心血管系を保護するだけでなく、肺の健康にも重要な役割を果たします。研究によれば、肺線維症の患者で血漿中のオメガ3脂肪酸濃度が高い人ほど、二酸化炭素交換能力が向上し、肺移植手術が不要な期間が延びることが分かっています。この現象は、喫煙歴や心血管疾患の有無に関係なく観察されました。

クルミとナツメの粥

材料:

  • ナツメ 10個
  • クルミ 10個
  • 米 1/2カップ
  • 氷砂糖 少々

作り方:

  1. ナツメをお湯に浸して柔らかくし、種を取り除きます。
  2. クルミを洗っておきます。
  3. ナツメ、クルミ、米を鍋に入れ、水を加えて火にかけます。
  4. 沸騰したら弱火にして、粥状になるまで煮込みます。
  5. 氷砂糖を加えて溶けるまでさらに煮込んだら完成です。

 

6. ショウガ

ショウガは体を温め、痰を取り除き、咳を和らげる効果が期待される食材です。その主要な有効成分であるジンゲロールは、強力な抗炎症作用を持つことで知られています。さらに、研究ではショウガ抽出物が気道の平滑筋をリラックスさせ、炎症を抑制し、喘息の症状改善に役立つことが示されています。

ショウガティー

材料:

  • ショウガスライス 大さじ1と1/2
  • 水 2と1/4カップ(約550ミリリットル)
  • ハチミツ 大さじ1
  • レモンスライス 2枚

作り方:

  1. 鍋にショウガスライスを入れます。
  2. 水を加えて沸騰させた後、弱火で10分間煮ます。
  3. 煮出したショウガを濾し、ティーをカップに注ぎます。
  4. ハチミツとレモンスライスを加えてよく混ぜれば完成です。

 

7. ナツメ

中国伝統医学では、ナツメは血と肺を養う理想的な食材とされています。ナツメは多糖類やビタミンを豊富に含み、免疫力を高め、呼吸器系を保護する効果が期待されています。

試験管内の研究では、ナツメに含まれる多糖類が免疫細胞の病原体に対する戦闘能力を高め、炎症促進性サイトカインの発現を調節する作用があることが示されています。

ナツメ茶

材料:

  • ナツメ 6個
  • 熱湯 2と1/2カップ(約600ミリリットル)

作り方:

  1. ナツメを洗い、種を取り除きます。
  2. 鍋または耐熱容器にナツメを入れ、熱湯を注ぎます。
  3. 蓋をして15分間蒸らします。

 

8. ターメリック

ターメリックは抗炎症作用を持つスパイスで、特に慢性的な肺の炎症を和らげるのに効果的です。研究では、ターメリックに含まれる有効成分クルクミンが、肺の炎症や損傷を著しく軽減することが示されています。また、クルクミンには強力な抗酸化作用もあり、免疫力を高めるサポートが期待できます。

ターメリックゴールデンミルク

材料:

  • 牛乳 1カップ
  • ターメリック 小さじ1
  • 黒コショウ 少々
  • ハチミツ(お好みで)

作り方:

  1. 鍋に牛乳を入れ、中火で温めます。
  2. 温めた牛乳にターメリックと黒コショウを加え、よくかき混ぜます。
  3. お好みでハチミツを加えて甘さを調整します。

 

9. ハチミツ

ハチミツは抗菌作用、保湿作用、そして咳を和らげる効果を持つ天然の食品です。特に乾いた咳や喉の不快感を緩和するのに適しており、古くからさまざまな伝統療法で利用されてきました。オックスフォード大学の研究によると、ハチミツは上気道感染症の症状改善において従来の治療法よりも効果的であり、抗生物質の安価で安全な代替品としての可能性があると結論付けられています。

朝に飲むハチミツレモネードは、肺を浄化し、喉を潤すのに特に効果的です。

ハチミツレモネード

材料:

  • 水 1カップ
  • レモン 半分
  • ハチミツ 大さじ1

作り方:

  1. 水を温めます(熱くしすぎないように注意してください)。
  2. レモンを洗い、薄切りにするか、絞って果汁を取ります。
  3. 温めた水にレモンとハチミツを加え、よく混ぜます。

 

10. クコの実

クコの実は、中国伝統医学で広く用いられるハーブで、多糖類、ビタミンC、カロテノイドを豊富に含みます。これらの成分が肺の健康を守り、免疫力を効果的に高めることが期待されています。特に多糖類には、肺がん細胞の成長を抑制し、その細胞周期を阻害、さらにプログラム細胞死を誘導する作用があることが研究で示されています。

クコの実茶

材料:

  • 水 1カップ
  • クコの実 大さじ1

作り方:

  1. 水を温め、クコの実を加えて10分間浸します。
  2. クコの実の風味が出たら、冷ましてから飲みます。

以上のレシピは、中国伝統医学で長く親しまれてきたものであり、現代の科学研究によってその効果が裏付けられています。これらを日々の食事や飲み物に取り入れることで、秋冬の寒い季節に健康を守りながら、美味しく免疫力を強化することができます。
 

この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。

(翻訳編集 華山律)

慢性的な精神、行動、身体の病気を対象とした統合医療医。中国医学の医師。精神科認定医。統合医療の楊研究所とアメリカ臨床鍼灸研究所の創設者兼ニューヨーク北部医療センターのCEO。『Integrative Psychiatry(統合精神医学)』、『Medicine Matters(医学の重要性)』、『Integrative Therapies for Cancer(癌の統合療法)』に貢献。また、ハーパーコリンズの『Facing East: Ancient Secrets for Beauty+Health for Modern Age(現代の美と健康のための古代養生法)』とオックスフォード大学出版局の『Clinical Acupuncture and Ancient Chinese Medicine(臨床鍼灸と古代中国医学)』の共著者。