「光復香港 時代革命」と書かれた旗を掲げるデモ隊(王文亮/大紀元)

「戦いつづける」 逃亡犯条例反対運動2周年、在日香港人が新宿でデモ行進

中国共産党が押し付けた「逃亡犯条例」に反対する大規模な抗議活動から2年が経つのに合わせて、12日、在日香港人は東京・新宿でデモ行進を行った。国家安全法が制定され、香港でのデモや集会が厳しく規制されるなか、在日香港人は民主や自由を取り戻すために戦い続けることを誓った。

参加者は「光復香港 時代革命」と書かれた黒いTシャツを身にまとい、中国共産党による人権弾圧について訴えた。また、2014年の雨傘運動を記念して、隊列の後方は黄色の傘を持って行進した。参加者数は主催者発表で250人。沿道の通行人が写真や動画を撮影する場面が多く見られた。

在日香港人はデモを通して決してあきらめないというメッセージを発信した(王文亮/大紀元)

主催団体のメンバーは取材に対し、今回のデモ活動は世界22カ国で連帯して行っているものであり、香港版国家安全法が施行されても、決してあきらめない姿勢を示すものだと述べた。

活動に参加した人権活動家の古川郁絵さんは取材に対し、中国共産党による分断工作の危険性について語った。香港の民主活動家の周庭さんはこの日、釈放されたが、香港警察や中国共産党が彼女を許したわけではないと語った。「中国共産党は(周庭さんの)釈放自体を分断や情報操作に使う恐れがある。気を付けるべきだ」と古川さんは語気を強めた。

さらに古川さんは、人権を求める活動の中では、共産主義や中国共産党が邪悪の根源であることを認識する必要があり、民族憎悪に向かってはいけないとの見方を示した。

東京・新宿を練り歩くデモ隊の様子(王文亮/大紀元)

逃亡犯条例は香港が犯罪者を中国本土へ引き渡すことを可能とするものであり、香港人の一部は「送中条例」と呼ぶ。裁判手続きや被疑者の人権保障が比較的進んでいる香港から、司法の独立を疑われる中国本土へと移送される恐れがあること、また、中国共産党が約束してきた一国二制度が形骸化することを懸念して、多くの香港人は同条例に反対した。大規模な抗議活動ののち、同条例は撤回された。

そのほかにも、2003年に起きた国家安全条例の導入に反対する大規模な抗議活動や、選挙制度をめぐって民衆が抗議を行った2014年の「雨傘運動」など、様々な抗議活動が発生している。これらはいずれも香港に対する締め付けを強化しようとする、中国共産党の施策に対して香港人が反発を示したものだ。

在日香港人のウィリアム・リーさんは大紀元の取材に対して、2年に及ぶ努力と世界各国の制裁が功を奏しており、中国共産党による香港支配が思い通りにいっていないと語った。そして、日本も対中制裁をすれば、活動に対する妨害も少なくなり、在日の中国人も中国大使館による支配を脱することができるだろうと述べた。

(王文亮)

関連記事
時にはバカになることも必要?中国の若者の「瘋遊」ブーム
大型連休中の中国、著名景勝地の「公衆トイレ」で夜を明かす観光客。
中国の飲食店で食事した女性が「使用した食器類をお持ち帰り」した。そのわけは?
1949年に中国共産党(中共)が政権を樹立して以来、今年の「10・1連休」で75年が経過した。しかし、この政権の合法性は常に疑問視されてきた。過去の中共指導者たちは、「成果」を掲げてその合法性を正当化しようとしたが、現在の経済低迷の中で、このような言い訳はまだ中国本土の個人や団体を納得させることができるのだろうか? 
ファーウェイが世界初の「三つ折りスマホ」 が先月下旬に発売し注目浴びるも、開始直後からトラブルが相次いでいる。サムスンのパクリ疑惑や購入後1か月で液漏れなど…