むかし、孔子という偉い先生がいました。多くの人々に慕われ、多い時には3000人もの弟子がいました。
孔子の弟子の中に、子路(しろ)という弟子がいました。子路の家族は、とても貧乏で、肉と魚が食べられるのは、特別な日だけでした。その他の日は野草を食べ、お腹を満たしていました。貧しい両親を助けるため、子路は百里離れた市場へ行って米を買い、道端の野草を摘んで帰りました。子路は持ち帰った野草を煮て、親のために食事の用意をしました。
子路の親が亡くなると、楚王(当時の王様)は、子路の才能と人格を認め、官僚に任命しました。
子路は出世し、どこに行くにも馬に乗り、あらゆる珍味を食することができる身分になりました。しかし、子路はある日、ため息をつきながら言いました。「私は富を得て、何不自由ない暮らしを送ることができるようになりました。しかし、私は長い道のりを歩いて米をかつぎ、野草を探しながら歩き、両親に奉公した日々を懐かしく思うのです」
(翻訳編集・郭丹丹)
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