玉谷製麺 雪国が生んだデザインパスタの魅力

食卓に咲く「雪と花」 こんなパスタあったの

もはやパスタは、本場イタリアに負けないぐらい、日本でも人気の食材です。

もちろんロングパスタ(スパゲティ)もおいしいですが、いろいろな形状で目も楽しませてくれるショートパスタは、料理の幅を広げるとともに、お子様に大喜びされることは間違いなしですね。

今日ご紹介するのは、山形県の霊峰月山のふもとで麺づくり一筋に励む玉谷(たまや)製麺所の自信作「雪結晶パスタ」をはじめとするデザインパスタの数々です。

「雪結晶」のほか「月もみじ」「おひさま」「サクラ」「ローズ」等。これ、みんなパスタの名前なんですよ。

さあ、楽しい調理を始めましょう!

困難を越え、ついに完成「雪結晶パスタ」

2011年3月11日に起きた東日本大震災は、昭和24年創業の玉谷製麺所にも試練をもたらしました。

幸い従業員にも設備にも被害はなかったのですが、東北地方の経済が大打撃を受けるとともに、風評被害による損失は東北全域に及んだのです。

そのような苦難の中にあった2013年、玉谷製麺では「東北の、山形の、この土地でしかできない唯一無二の『食』を創り上げ、世界に届けていこう」という決意のもと、オリジナルの金型をつかった、新製品のデザインパスタを作ることになりました。

ということで、「雪の結晶」をデザインした金型をイタリアに発注したところ、返ってきたのは意外な答え。「金型は作れるが、これでは食べられるパスタにはならない」。

そこを押して、2か月後に金型を入手しましたが、実際にパスタを試作してみたら、確かにイタリア側の言う通りでした。

まず、ボイル後の見た目が悪すぎて「雪の結晶」にはとても見えない。長時間ボイルしても、固く残る部分がある。

商品開発の第一歩から、痛いつまづきを味わうことになりました。

でも、大雪に鍛えられた山形人が、ここで負けるはずがありません。

玉谷製麺が70余年の「そば・うどん」で培った製麺技術と知識を駆使して、生地の配合などを変更することにより、開発から約1年、ついに「美しく、おいしく茹であがる」オリジナルの製法が確立。

テーブルに、見事な「雪の結晶の花」が咲きました。

無添加で出した春の色「サクラパスタ」

冬の「雪結晶パスタ」に続くのは、春の「サクラ」です。「でも、どうやって桜の自然な色を出すのか」。

添加物である着色料で色づけすることは簡単ですが、玉谷製麺は「添加物を使わない」のがポリシー。

「なんとしてもこの条件をクリアして、ボイル後も美しい桜色が保てる素材はないか!」。

必死で探し求めた結果、思わぬところから、すばらしいヒントがもたらされました。

地元の農家さんが「これ、余りもので困ってるだが、麺づくりに使ってもらえねえかね」と、玉谷製麺に持ってこられたのが「赤いビーツ(テーブルビート)」のペーストでした。

ロシア料理のボルシチで、あの赤味を出す野菜です。

「これは使える。ボイルしても色があせない」と飛びつき、一気に進めて生まれたのが「サクラパスタ」。

地元農家の偶然のご厚意により、見事な桜がテーブルに咲いた瞬間でした。

 

震災から10年。本当の復興には、まだ時間がかかりますが、東北は確実に前進してきました。

玉谷製麺も、お世話になった多くの人にご恩返しができるよう、皆様の食卓に寄り添い、豊かな「食」を創り上げていきます。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

関連記事
ひまし油は古くからさまざまな健康トラブルに使用されてきました。現代でも、自然療法士やホリスティックケアの専門家が、ひまし油パックを活用して免疫サポートや便秘解消、ストレス軽減など、多くの効果を得るためのサポートを行っています。
新たな研究で、子どもが使用するスキンケア製品がホルモンバランスを崩す化学物質を含む可能性が指摘されました。子どもの健康リスクを減らすため、製品選びのポイントをご紹介します。
ミラノといえば高級ブランドが思い浮かぶかもしれませんが、実はそれだけではありません。24時間で楽しめる歴史的な名所や自然、美術館など、さまざまな魅力が詰まった都市です。
アメリカで依然としてエリス変異株が主流である中、科学者たちは新たなCOVID-19変異株「ピロラ」(BA.2.86)に注目しています。ピロラは多くの変異を持ち、免疫回避の可能性が指摘されていますが、感染力は低い可能性もあります。現在のワクチンや治療法が効果を持つことが期待され、今後の監視が続けられます。
マディセン・ウィルコックスさんと夫のダリンさんは、胎児チャーリーが致命的な診断を受けた中で、信仰に基づいた選択をしました。彼らは困難な状況下でも妊娠を続けることを決意し、この経験が家族全体にとって大きな教訓と祝福をもたらしたと語っています。