古代中国の物語
裁判官のはなし
宋の時代、黄という高官のもとに、袁州から2人の友人が訪ねてきた。話をしているうちに、2人は黃に袁州へ一緒に行こうと誘った。黄は固く断ったが、友人たちが強く勧めてくるので、仕方なく一緒に行くことにした。
袁州に到着したが、黃は城内に入るのを嫌がった。しかしそんなことはかまわずに友人たちは黃を引っ張って城内に入った。そのとたん、黄は激しい腹痛に襲われ、それから一晩中苦しんだ。友人たちはいぶかしげに聞いた。「一体、君はどうしたというんだ? 昨日は袁州に誘ってもなかなか来ようとしなかったし、今は病に苦しんでいる」
すると黄は、自分はもうすぐ死ぬのだ、と力なく答えた。彼は友人たちに妻と母親を呼び寄せるよう頼むと、今にも死にそうな声で三年前の話をしはじめた。それは黄が袁州の裁判官だったころの話だった。
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。