新唐人テレビの番組「She Health」の中で、台湾大学附属医院リハビリテーション科の主治医で、大重仁リハビリクリニック院長の林寬宇医師は、早期の注意とセルフケアの重要性を強調しています。続く不快感は、慢性化する前に専門家による評価が必要な原因が隠れているサインかもしれません。
パソコンやスマートフォンを長時間使用する現代生活では、肩や首の不調が増えています。林医師は正しい姿勢を保つことの重要性を指摘し、あごを少し引くことで不快感を軽減できると説明します。反対に、猫背や悪い座り方は痛みを悪化させる原因になります。
電子機器を使う人のための姿勢のコツ
- あごを引く: 背筋を伸ばして座るとき、あごを軽く引いた状態を保ちます。
- 肩を後ろに引く: 耳が肩の真上に縦に並ぶのが理想です。耳が前に出る姿勢は、いわゆる「スマホ首」を招き、首や上背部に負担をかけます。
- 90度を意識する: 座って作業するときは、以下の3つの部位が同時に90度になるよう心がけます。
- 肘: タイピング時に肘が90度になるようにし、腕が快適に支えられるデスクの高さに調整します。
- 腰: 背筋が伸び、腰のカーブが自然に保てる高さのデスクを使います。
- 膝: 膝を90度に曲げます。椅子が高すぎる場合はフットレストを使って調整します。
立って作業する場合も、上半身の原則は同じで、肘を90度に保ち、背骨のラインをまっすぐにします。
78人を対象とした症例対照研究では、肩インピンジメント症候群(肩の組織が挟み込まれて痛みが生じる状態)の患者は胸椎後弯(背骨の胸部が後方にカーブした状態)の角度が大きい傾向があることが示されました。この結果は、適切な胸椎姿勢を保つことが可動域の改善につながり、肩インピンジメント症候群の予防・改善に役立つ可能性があります。
毎日の姿勢ケアに役立つ3つのシンプルなエクササイズ
林医師によると、無意識に肩をすくめてしまうことはオフィスワーカーに最も多い姿勢の問題のひとつだといいます。この習慣が続くと、首と肩に過度の負担がかかります。職場では、お互いに肩の力を抜くよう声を掛け合える環境づくりが理想的です。
ひとりで働く場合は、デスクの前に鏡を置き、自分の姿勢を時折チェックする方法が効果的です。肩が上がっていないかを確認しやすくなり、正しい姿勢に戻す助けになります。また、あごを軽く引くことも姿勢を整えるうえで重要です。
林医師は、首と肩の緊張を和らげるため、以下のエクササイズを毎日行うことを勧めています。各エクササイズを1日3回、10回ずつ行いましょう。
1. 前方への首ストレッチ 両手を頭の後ろに置き、上半身を前に軽く倒します。5〜10秒間キープします。

2. 側方への首ストレッチ 片方の手で反対側の頭を持ち、肩に向かって軽く引きます。軽い伸びを感じたら5〜10秒キープし、反対側も同様に行います。

3. 上方への首ストレッチ 頭を後ろに倒し、上を見上げます。このとき、頭が左右に傾いたり回転したりしないよう中央に保ちます。5〜10秒キープします。

正しい枕の選び方
林医師は、使用する枕によって睡眠の質や翌日の身体の調子が大きく変わると指摘します。不適切な枕は、目覚めたときに首や腰の痛みを引き起こすことがあります。
枕選びのポイント
- 隙間を最小限にする: 仰向けになったとき、首と枕の間の隙間が少なくなる枕を選びます。首がしっかり支えられることで背骨のラインが整い、負担が軽減されます。
- 首がリラックスできること: 枕に頭を置いたとき、首まわりが完全にリラックスできていることが大切です。不安な場合は、誰かに筋肉の緊張がないか触ってもらうとよいでしょう。
- あごが少し下がる高さ: 首を支えるのに十分な高さがありつつ、あごが額よりわずかに下(3〜5度)になる枕が理想的です。頭が後ろに反り返るのを防ぎ、快適な睡眠につながります。
- 柔らかすぎる枕は避ける: 柔らかすぎる枕は首が反りすぎる原因になり、負担や姿勢の乱れを引き起こします。
診断と治療の選択肢
持続する肩や首の痛みに対しては、まずはかかりつけ医の受診から始めることを林医師は勧めています。外傷歴がある場合は、リハビリ科や整形外科を直接受診した方が適切なこともあります。また、過去に頸椎の手術歴がある場合は、治療を担当した外科医に相談することが望ましいとされています。
診断は通常、患者の病歴を詳しく確認することから始まります。骨折や外傷による神経圧迫が疑われる場合は、X線検査が行われることがあります。結果に応じて、関節炎、骨棘(骨にできるトゲ状の突起)、嚢胞(液体が溜まった袋状の組織)、腫瘍などの兆候を調べるための超音波検査が行われることもあります。
肩や首の痛みの種類
- 急性痛: 2週間未満の痛みで、筋肉の負担・外傷・悪い姿勢などが原因
- 慢性痛: 骨棘や椎間板ヘルニアなど、脊椎の変性による痛み
初期治療
治療は通常、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などの内服薬と、治療機器を使った理学療法から始まります。急性の筋肉の負担には温熱療法・電気療法・冷却療法などが用いられます。慢性的な脊柱管の狭窄や神経圧迫がある場合には、牽引(けんいん)療法が推奨されることもあります。
進んだ治療法
初期治療への反応が乏しい場合や改善が遅い場合は、特に小さな椎間関節が原因の痛みに対し、注射療法が検討されます。近年では超音波ガイド下注射という技術が使われ、リアルタイム映像で患部を確認しながら薬剤を正確に患部へ届けることが可能になっています。この方法は精度が高く、痛みの原因となる組織に直接作用させることができます。
注射後に一時的な痛みが生じることはありますが、超音波ガイドにより周囲の神経を避けつつ治療できるため、適切に行えば安全性は高いと林医師は述べています。リスクの高い場合は、外科・神経外科・整形外科の専門医への紹介が行われ、より詳しい評価と治療が受けられます。
この記事で表明された見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
(翻訳編集 井田千景)
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