(Illustration - DavidCarpio / Shutterstock)

「とにかく家族が欲しいんだ」 9歳男の子の願い

オクラホマ州出身の兄弟、ジョーダン君(9)とブレイソン君(8)。この2人は5年前にオクラホマ福祉局に保護され、別々のグループホームに引き取られることになりました。

再び一緒に暮らせるよう同じ家族養子縁組してもらうことを夢見ていたこの兄弟は、2017年、オクラホマのローカル局KSWOの番組で紹介されました。

「僕たち何でも全部一緒にやりたいんだ。料理とか空手とかね」と当時6歳だった兄のジョーダン君はインタビューに答えました。

この兄弟の願いは、周囲もよく理解していました。

当時の担当ケースワーカーだったエルシーさんによると、2人は養子縁組の話になるといつも「お兄ちゃんは」「弟は」と口にし、一緒に引き取られることを心から望んでいたそうです。

2人は幼いながら養子縁組についてもきちんと理解し、愛情と保護を与えてくれる永久的な両親と家族が欲しいと話していたそうです。

 

(Illustration – DavidCarpio / Shutterstock)

しかし今年になって、弟のブレイソン君が新しい家族に引き取られ、2人揃って同じ家族の養子になるという兄弟の夢は叶いませんでした。

兄のジョーダン君はオクラホマのKFOR局から取材を受け、インタビュアーの「3つのお願いができるとしたら、何をお願いする?」という質問にこのように答えました。

「家族、家族、そして家族だよ。ママ、パパと呼べる家族が、ううん、ママだけでもパパだけでもいい。とにかく家族が欲しいんだ」

「家族がいれば、話したい時にいつでも話せる人がそばにいる。だから僕は家族が欲しいんだ。誰か、僕のことをもらってくれないかな」

 

オクラホマシティー警察署 (Screenshot / Google Maps)

この取材で、ジョーダン君は将来の夢についても語りました。それは警察官になることです。

警察官は「面白くて人を守ってくれるから」というのが理由だそうです。

けれどもジョーダン君の最大の夢は、永久的な家族を見つけることでした。

オクラホマ州ロートンにあるオクラホマ福祉局 (Screenshot/Google Maps)

ジョーダン君のこの取材の様子が放送されると多くの人が心を動かされ、オクラホマ福祉局には何千件もの養子縁組の問い合わせが寄せられました。ジョーダン君の永久的な家族が見つかる日も、そんなに遠くなさそうです。

しかしオクラホマ福祉局は、ジョーダン君の件は氷山の一角で、家族を切望する子どもたちは何万人といる、と警鐘を鳴らしています。2020年7月の時点で、オクラホマ保健局だけで7,700人もの子どもを保護しているのです。

 

(Illustration – altanaka / Shutterstock)

さらにアメリカ全体で見ると、里親制度(親権は実親に残したまま里親が一時的に子どもの面倒を見る制度)を適用している子どもは40万人以上、ジョーダン君のように新しい家族を待ち望んでいる子どもは10万人以上もいるそうです。

アメリカに限らず、家族が欲しいと願い、家族の温かさを求める子どもは数えられないほどいるのが現状です。

ジョーダン君の件をきっかけに、援助を必要とするたくさんの子どもに救いの手が差し伸べられることを心から望みます。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
寒い季節こそ、ゆったり過ごし心身を整えるチャンス。睡眠や食事、メンタルケアで冬を快適に楽しむ方法をご紹介します。
50年以上前から次世代の食料として研究されてきたオキアミ(プランクトン)。クジラなどの海洋性生物にとっては生存のための原初的な存在だ。そのオキアミからとれるオメガ3が注目されている。本文にあるようにオメガ3は人の健康にとっても有益なものだ。クリルオイルは、オメガ3と抗酸化成分が豊富で人気のある健康補助食品。フィッシュオイルに比べてコストが高い点が難点だが……
仏に対抗しようとした調達が、暗殺未遂や陰謀を重ねた末、地獄に堕ちるまでの報いの物語。
「犬に散歩される」気の毒な飼い主たち、笑っちゃってゴメンの面白動画→
過度な運動や減量で陥りやすい「低エネルギー可用性」。エネルギー不足が体に与える影響とその対策について、専門家のアドバイスを交え解説します。