「とにかく家族が欲しいんだ」 9歳男の子の願い
米オクラホマ州出身の兄弟、ジョーダン君(9)とブレイソン君(8)。この2人は5年前にオクラホマ福祉局に保護され、別々のグループホームに引き取られることになりました。
再び一緒に暮らせるよう同じ家族に養子縁組してもらうことを夢見ていたこの兄弟は、2017年、オクラホマのローカル局KSWOの番組で紹介されました。
「僕たち何でも全部一緒にやりたいんだ。料理とか空手とかね」と当時6歳だった兄のジョーダン君はインタビューに答えました。
この兄弟の願いは、周囲もよく理解していました。
当時の担当ケースワーカーだったエルシーさんによると、2人は養子縁組の話になるといつも「お兄ちゃんは」「弟は」と口にし、一緒に引き取られることを心から望んでいたそうです。
2人は幼いながら養子縁組についてもきちんと理解し、愛情と保護を与えてくれる永久的な両親と家族が欲しいと話していたそうです。
しかし今年になって、弟のブレイソン君が新しい家族に引き取られ、2人揃って同じ家族の養子になるという兄弟の夢は叶いませんでした。
兄のジョーダン君はオクラホマのKFOR局から取材を受け、インタビュアーの「3つのお願いができるとしたら、何をお願いする?」という質問にこのように答えました。
「家族、家族、そして家族だよ。ママ、パパと呼べる家族が、ううん、ママだけでもパパだけでもいい。とにかく家族が欲しいんだ」
「家族がいれば、話したい時にいつでも話せる人がそばにいる。だから僕は家族が欲しいんだ。誰か、僕のことをもらってくれないかな」
この取材で、ジョーダン君は将来の夢についても語りました。それは警察官になることです。
警察官は「面白くて人を守ってくれるから」というのが理由だそうです。
けれどもジョーダン君の最大の夢は、永久的な家族を見つけることでした。
ジョーダン君のこの取材の様子が放送されると多くの人が心を動かされ、オクラホマ福祉局には何千件もの養子縁組の問い合わせが寄せられました。ジョーダン君の永久的な家族が見つかる日も、そんなに遠くなさそうです。
しかしオクラホマ福祉局は、ジョーダン君の件は氷山の一角で、家族を切望する子どもたちは何万人といる、と警鐘を鳴らしています。2020年7月の時点で、オクラホマ保健局だけで7,700人もの子どもを保護しているのです。
さらにアメリカ全体で見ると、里親制度(親権は実親に残したまま里親が一時的に子どもの面倒を見る制度)を適用している子どもは40万人以上、ジョーダン君のように新しい家族を待ち望んでいる子どもは10万人以上もいるそうです。
アメリカに限らず、家族が欲しいと願い、家族の温かさを求める子どもは数えられないほどいるのが現状です。
ジョーダン君の件をきっかけに、援助を必要とするたくさんの子どもに救いの手が差し伸べられることを心から望みます。
(大紀元日本ウェブ編集部)