【紀元曙光】2020年6月25日

第二次世界大戦は終わったが、戦争はなくならなかった。

▼1950年6月25日。70年前のこの日、朝鮮半島の38度線を越えて、金日成の北朝鮮軍がなだれ込んできた。北は、始めから「やる気」で、実戦経験の豊富な軍人を揃えて、ドリルをねじ込むように奇襲攻撃をかけてきた。

▼準備不足の韓国軍は北の勢いに圧倒され、一時は、日本に近い釜山付近まで追いつめられる。絶体絶命となった時、米軍の仁川上陸で形勢逆転。米韓を主力とする国連軍が、相撲の土俵のように押し返し、逆に中国国境近くまで迫る。

▼ここで登場するのが中国人民志願軍と、それを率いる猛将・彭徳懐(ほうとくかい)であった。なにしろ兵数だけは多い。最前線に20万、後方部隊も含めれば100万人にもなったという。兵士がもつ武器は、日本軍から接収した旧式の三八銃なども多かった。自然、人数にものを言わせる人海戦術となるが、それでも再び38度線まで押し戻し、そのまま21世紀の現在に至る。世界史の奇観の一つと言ってよい。

▼実は、小欄に書きたかったのは彭徳懐のことである。中国共産党のなかでの功績なので、ほめるべきではないが、彭徳懐は優秀な軍人であるとともに、部下からも慕われる理想的な指揮官であった。

▼ただ彼の、そういう良さが悲劇を招いた。1959年の廬山会議の前、彭徳懐は「私信」という形で毛沢東に意見を述べたが、それが毛の逆鱗に触れる。文化大革命の時、建国の老将は、孫のような紅衛兵に暴行を受けて下半身不随となる。最後は直腸癌で病死。というが、ほとんど虐待死に近い。

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。