(katerha/Creative Commons)

宇宙の理は常に働いている

最近、深夜に眠れないときによく思い出す出来事がある。

ある朝、ちょうど雨が上がった時だった。物静かな女性が私の店に立ち寄った。彼女が立ち去った後、見慣れない傘があるのに気が付いた。さっきの女性のものだと思い、急いで外に出て呼び掛けたが、彼女は聞こえなかったらしく、そのまま人波に消えていった。

その時、ふとある考えが私の頭をよぎった。「ラッキーだ。これを店の共用の傘にしよう」

しかし次の瞬間、「そんな泥棒みたいなまねは、人としてすべきことではない」と思い直した。

するとまた別の考えが浮かんだ。「使った後でまた返せば構わないだろう」。この後、考え直すことはなかった。

その後、傘の持ち主は現れずに何日か過ぎ去った。

ある曇り空の午後、用事に出掛けようとすると、急に雨が降り出した。その日は傘を持って来ていなかったので、思わず、あの忘れ物の傘を手に取った。

帰りがけになると雨はますます激しくなり、バスの停留所で雨をしのぐことにした。しばらくしてバスが到着し、傘をさして歩き出したとたん、傘は突然ばらばらに壊れ、私は一瞬でずぶぬれになってしまった。あわててバスに飛び乗り、びしょびしょになった自分の服と傘を見たとき、はっと気がついた。「これは報いだ」

すべての人間の、いかなる考えも神仏にはお見通しなのだ。人の傘を勝手に使い、その報いでびしょぬれになった。因果応報の理はどんなささいなことにも働いている。

古代中国では「天人合一」と言われ、人体と宇宙は呼応していると考えられていた。宇宙の理である真・善・忍に従う者の人生は順調で繁栄し、それから外れる者の人生は浮き沈みが多く、やがて滅びる。

眠れない夜、李白の詩を思わせる丸い月を眺めながら、全ての人の心があの曇りのない月のように美しく輝くことを祈った。

 

 (翻訳編集・緒川)

 

関連記事
ベジタリアン生活で悪化した健康が、肉食で改善された女性の実体験。食物繊維の偏見や腸内フローラの影響を考察し、食生活の見直しを提案します。
ベジタリアン生活で悪化した健康が、肉食で改善された女性の実体験。食物繊維の偏見や腸内フローラの影響を考察し、食生活の見直しを提案します。
一般的な二日酔いとは異なり、この古くから知られるワインにまつわる頭痛の原因は、長い間、科学者やワイン愛好家たちにとって謎のままでした。 しかし、最近の研究で、その原因が意外なところにあることが明らかになりました。それは「ケルセチン」と呼ばれる抗酸化物質です。研究者たちは、この豊富な植物色素がアルコールと結びつくことで、敏感な人に痛みを引き起こす一連の反応が始まると考えています。
豆乳や牛乳でカルシウム補給をしている方も多いかと思いますが、実は豆花(ドウホワ)がより効果的です。豆花には、石膏を使用した伝統的なものがおすすめで、カルシウムが豊富に含まれています。同じ豆乳を原料にしていても、凝固剤の違いでカルシウムの含有量が大きく異なるため、伝統製法を選ぶことがポイントです。カルシウム摂取には、石膏を使用した豆花や豆腐が最適です。
秋の夜空に現れる特別な満月「ハーベストムーン」。2024年9月17日、その大きく輝く月が、スーパームーンとしてさらに壮大に。古き良き伝統と現代の天文学が交錯する、見逃せない夜の物語をお届けします。