【紀元曙光】2020年3月18日
「弥生も末の七日」は旧暦3月27日のことで、新暦でいうと5月中旬に当たるらしい。元禄2年のその日、松尾芭蕉が『奥の細道』へ旅立った。上野や谷中の桜が盛りの頃だった。
▼今年の東京の桜は、開花から1週間後の21日に満開になるという。たまさか今年がそんなに早いのか、江戸時代と現代とでは何もかもが異なってしまったのか、小欄の筆者にはよく分からない。ただ、筆者は古い時代が好きなので、空想のなかで江戸の風景を楽しんでいる。
▼近世以前の江戸期には(明治以後の近代になっても継続するが)人々の身近なところに命取りとなる病気がいくらでもあった。結核、赤痢、天然痘、マラリア、コレラ、破傷風、腸チフス、ハンセン病などの感染症や伝染病、特殊な場所においては梅毒などの性病もあり、いずれも当時は難治の重病として恐れられた。
▼それらの病は、海を渡って日本にきたものもあるが、どれも天然の病原として昔から地上にあった。ところが現在世界に広まっているこのウイルスは、天然モノではなく、誰かが作った人工物であろうと言われている。小欄に結論はまだ書かないが、もしこれが作った物なら、作る目的があり、作れと命じた者がいるはずだ。
▼人間は、時に罪深いもので、金が欲しくて錬金術を研究し、特定の人物を暗殺するための毒薬づくりも歴史上やってきた。
▼一人を殺す毒薬などはかわいいものだ。じわじわ広がる人工ウイルスは、始めから大殺戮の怨念が込められている。そのため、性格としては、病気というより核兵器に近い。これが厄介なのは、そのせいもある。
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