Pixabay

観光客を乗せた母象につながれた1歳の子象 疲労で倒れる

タイのパタヤで、観光客を乗せた母につながれていた子象が疲労で倒れた。

子象は母親の首にロープでつながれており、母象に乗っていた観光客の通報によって事件が明らかになったとデイリー・メールは報じている。

タイには数世紀にわたって象を飼いならす文化がある。20世紀初頭には国内に約10万頭もの捕獲された象が生息していたという。

ワシントンのタイ王国大使館によれば、現在国内で3,500頭の象が飼育されており、69箇所の野生動物保護区や国立公園には約3,340頭の野生の象が生息している。

1歳の子象を巻き込んだこの事件は、タイ東部にあるノンヌット・トロピカル・ガーデンで起きた。

ミャンマーで教師をしている観光客は、パタヤで友人との余暇を楽しんでいた。「観光客を乗せて歩く母象につながれた赤ちゃん象がたくさんいて、暑さに苦しんでいました。この子象は疲れ切っていて、母親が子象を立たせようと励ましているようでした」

彼女は象のことが心配で、適切に世話されているのかを確かめたいと語った。同庭園の広報担当者は取材に対して、象が疲れていたり不当な扱いを受けているような事実はないと述べた。

観光客を乗せることは象にとっては悪夢

象乗りは観光客にとっては楽しいアクティビティだが、動物たちにとっては悪夢だ。

 

動物愛護団体ワールド・アニマル・プロテクションのヤン・シュミット・ブールバッハ医師は、動物の権利保護を訴えるThe Dodoの取材に対して次のように述べた。「観光客は象乗りのようなアクティビティには害がないと考えるかもしれません。しかし、人間が象の生活に介入する行為は、動物たちの生命力を奪う残虐な行為なのです」

ナショナルジオグラフィックの調査によれば、象たちが観光客に危害を与えずにパフォーマンスができるのは、ブルフック(金属の尖った爪がついている長い棒)による痛みを怖がるように調教されているからに他ならない。

密猟者らはあらゆる手を使って野生の象を捕獲する。「ピットトラップ」はあらかじめ掘った穴に象の群れを追い込む方法だ。この方法は飼育された象を利用して実行される。

大抵は子象を穴に落として大人の象を銃で殺し、その隙に子象を捕獲する。殺された象の身体は営利目的で販売される。

観光目的で象を調教することはこうした残虐で非合法的な行為を伴うため、専門家らは象乗りの倫理的問題を指摘している。

「観光地で見る動物たちからは残酷さを見て取ることはできません。見えないように隠されているのです。調教された動物たちは2度と苦しみのない自由な暮らしはできないということを、どうか忘れないでください」

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。