三猿から智慧を学ぼう

日本でよく知られている目、耳、口を両手で塞いでいる三猿は、現在、スマートフォンの絵文字として使用されるほど、すっかり市民権を得ており、世界中の人々に愛用されるようになりました。

この三匹の可愛らしいお猿さんはただものではありません。彼らの目、耳、口を隠している意匠には、「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智を示しているとされています。

「見ざる、聞かざる、言わざる」は、中国の思想家・孔子(紀元前552~479年)の『論語』の中の「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」と言う言葉に由来すると言われています。

日本語にすると、「礼節に背くことに注目してはいけません、礼節に背くことに耳を傾けてはいけません、礼節に背くことを言ってはいけません、礼節に背くことを行なってはいけません」という意味になりますが、この教えが、8世紀頃に天台宗の留学僧を経由して日本に伝わり、これに、語呂合わせとしての「猿」が付き、見ざる→見猿となったと言われています。

世界的にも有名な日光東照宮の欄間に彫刻された『見猿(ざる)、聞か猿(ざる)、言わ猿(ざる)』の三猿は論語の中のこの言葉をモチーフにしたものだと考えられています。

(文・一心)※看中国から転載

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。