古代には長寿の人たちが存在したのか

洋の東西を問わず、古来の伝説や経典には驚くべき長寿の人物が多数存在する。例えば、旧約聖書にはアダムが930年生きたと書かれ、中国の文献には数百年生きた道士たちの記録がある。メソポタミア文明のものとされるシュメール王名表には、在任期間が数万年に及ぶ王たちの名前が列記されている。これらの人物は、本当に存在したのか? 様々な考察と事例を集めてみた。

 

単なる数字のパターンという説

シュメール王名表には、在任期間が3万年を超える王たちが存在する。聖書と王名表に共通するのは、どちらも大洪水以前の人物たちが異常に長命だということ。そして、大洪水以降、人間の寿命は徐々に短くなっていく。例えば、アダムの寿命は930年、ノアは500年、アブラハムは175年。王名表では、洪水後も在任期間が1000年を超える王もいるが、洪水以前に比べれば、その期間は劇的に短くなっている。

一方、南テキサスにある「神の教会」に所属するアーノルド・メンデズ氏(Arnold Mendez)は、大洪水以前の時代から現代まで続く人間の寿命の減少は、放射線や毒素に晒されることによって見られる有機体の衰退現象に符号すると指摘する。

一方、ブランディーズ大学(Brandeis University)のドゥワイト・ヤング氏(Dwight Young)は、大洪水後のシュメール王たちの寿命について、単なる数字のパターンであると指摘する。洪水後、一番在任期間が長いのはエタナ(Etana)であるが、この数字は前任者2人の数字を足した数と合致する。また、ある王の在任期間は60の倍数であり、ある数字は二乗である。例えば、900は30の二乗であり、625は25の二乗、400は20の二乗といった、パターンのある数字が目立つ。また、短い数字の場合は、6の二乗が頻繁に現れると指摘する。

 

古代中国の長命な人物たち

鍼灸師のジョセフ・ホウ博士(Joseph P. Hou)によれば、秦の時代、崔文子(さい・ぶんし)という医師が、300年生きたという記録がある。また、後漢の頃、吉楽(きちらく)という人物が280年、高位の和尚である慧昭(けいしょう)は290年、楽正子長は180年生きたという記録もある。中国医学の百科事典、「中薬誌」によれば、唐の時代、何能嗣(か・のうし)という人物は168年、道のマスターである李青雲(り・せいうん)は250年、罗明山(ろ・めいざん)は124年生きたという。

ホウ博士によれば、東洋における長寿の秘訣は、「生命を養うこと」。身体的な部分のみならず、精神面の養生も必要であると古代の医学書には書かれている。

 

現代の長寿者たち

現代でも、長寿で健康な人たちがいる。150歳を超えるという人もいるが、これらの人々は田舎暮らしのためか、それを証明する書類がなく、ギネス記録に載ることはない。

例えば、ネパールのナラヤン・ショードリーさん(Bir Narayan Chaudhary)は、自分は141歳だと主張する。「インディア・トゥデイ」の報道によれば、村の老人たちのほぼ全員が、1888年に、ショードリーさんがネパールで初めてのアンケート調査を行っていたことを記憶している。調査は責任のある仕事であり、この頃、すでにショードリーさんは21歳にはなっていたはずだと村人たちは推測する。一方、ショードリーさんはこの頃、すでに33歳だった話す。

ホウ氏は自身の著書の中で、「これらの超人的に長生きする人たちに共通するのは、彼らの生活がシンプルで慎ましく、戸外でのハードな肉体労働やエクササイズを欠かさないことである。彼らはそれを、若い時からずっと毎日続けている。彼らの食事は質素で、人間関係も家族だけであり、とてもシンプルだ」と指摘する。彼の著書に登場するロシアのアゼルバイジャン地方で庭師をするシサリ・ミスリンローさん(Shisali Mislinlow)は、自分は170歳だと主張し、「私は決して急がない。これが重要で、生きるのに急ぐ必要はない。私はこのような肉体労働を150年も続けている」と話している。

 

(翻訳編集・郭丹丹)
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