会議に出席する胡春華氏(Feng Li/Getty Images)
第19回共産党大会人事

胡春華氏が最高指導部入りの可能性は3割未満との見方も

中国共産党第19回大会を目前に控える中、胡春華広東省党委員会書記は中国共産党機関紙「人民日報」に習近平氏を擁護する内容の長文を掲載した。重要会議でも習氏の「治国の理念」を強調するなどから、習近平氏に対して忠誠を示したい思惑が隠されている。胡氏がポスト習近平の「第六代指導者」として常務委員入りするとの見方がある一方で、可能性は3割に満たないとみている専門家もいる。

今年に入り次期政治局常務委員の顔ぶれが取りざたされている。まず有望株とされたのは孫政才と胡春華だった。

しかし重慶市トップ孫政才は7月に失脚し、貴州省トップの陳敏爾(チェン・ミンアル)氏が後任として充てられた。北京・上海・天津と並ぶ直轄市である重慶市トップから降ろされた孫氏に常務委員となるチャンスはもはやなかった。孫政才が江沢民派であるとの情報もあり、習近平氏が江沢民派を徹底的に排除していると見方が有力だ。

▶ 続きを読む
関連記事
今年も現れた中国版サンタ「鰲拜(オボイ)」。サンタの恰好で空を飛んでも、顔を見れば一発で分かる。なぜ毎年この悪役がサンタになるのか。
上海と北京の二大空港で免税店の経営権が一斉に交代した。単なる事業者の入れ替えにとどまらず、長年にわたり空港免税という国家管理の参入ゲートを掌握してきた江沢民系資本が完全に市場から退場したとの見方が広がり、中国の経済権力構造における一つの時代の終焉を告げる出来事として注目を集めている
深圳の2億元評価のゴルフ別荘が6673万元で競売にかけられたが、8回目の競売でも入札者は現れず流札となり、中国不動産市場の冷え込みを象徴する出来事としてネットの注目を集めている
中共が旅行会社に「訪日客を6割に抑えよ」と指示し、日本行き中国人を恣意的に制限している。矢板明夫氏は、数字ありきの“思いつき統治”の体質は、毛沢東時代の恣意的な人数・割合決定と本質的に変わらず、犠牲になるのは経済だけでなく自由と常識だと批判する
米国駐武漢総領事館が年収8万元超の清掃員を募集し、中国SNSで大きな話題に。小卒以上・英語初級で応募可能な明確条件は、中国企業の低賃金・不透明求人と対照的で、外資と内資の待遇格差への不満も噴出している