中韓首脳電話協議、THAADをめぐって訪中団を派遣へ
5月10日に韓国第19代大統領に就任した文在寅(ムン・ジェイン)氏は11日、中国習近平国家主席と電話会談を行った際、米国の高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備をめぐって中国側と協議するため、北京に代表団を派遣する意向を示した。
米メディア「VOA」によると、青瓦台(大統領官邸)の尹永燦(ユン・ヨンチャン)広報首席秘書官は、中韓両首脳の電話会談は約40分続いたと述べた。両首脳は朝鮮半島の非核化が両国の「共通目標」との認識を確認した。また文大統領が、北朝鮮の核問題や中国側のTHAAD配備への懸念について意見交換するため、北京に代表団の派遣を計画していることを明らかにした。
習近平主席、THAADに強く反対を改めて伝える
また、同報道官によると、習近平主席は電話会談で北京当局がサードミサイルに強く反対すると改めて伝えたという。両首脳は中韓関係の方向性や朝鮮半島情勢について踏み込んだ意見交換を行い、文氏は「北朝鮮の更なる挑発がなければ、サード問題を解決することができる」と話した。
中国外交部の耿爽報道官は同日の記者会見で、両首脳の電話会談について「両首脳は、中韓関係を安定した健全な発展軌道に戻すよう共に努力していくとの見解を示した」と述べた。
中国当局は昨年末以降、韓国のTHAAD配備に対して、レーダー探知で中国の軍用施設も監視できるとの理由で強く反発してきた。くわえて、中国当局は韓国旅行や韓国との輸出入への制限など多くの報復措置をとってきた。
アメリカ政府は、サードミサイルは北朝鮮のミサイルや核兵器の脅威に対抗する上で極めて重要なカードだと説明している。いっぽうで、一部の韓国国民は北朝鮮の標的となることを恐れて、サードの配備に反対している。
選挙中、文氏は一貫してTHAAD配備に反対姿勢を示してきた。今後、韓国政府がTHAAD配備に関して大きな見直しをするのかに注目が集まる。
(翻訳編集・張哲/王文亮)