人口問題
2015年中国出生率わずか1.05 世界最低水準
中国政府がこのほど発表した『中国統計年鑑2016』によると、2015年中国の合計特殊出生率(Total Fertility Rate、TFR、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す)はわずか1.047で、これまで当局が主張した1.6ではないことが明らかになった。
専門家は、中国の約1.05の出生率が、今年世界銀行が発表した2014年200カ国・地域のTFR統計ランキングの中で、最下位である韓国の1.2を下回り、世界で最も低い水準になったと指摘した。将来一段と深刻になる少子高齢化によって、労働人口の急減で中国国力の衰退は避けられない。
中国メディア「財新網」の「人口と経済」コラムニスト、梁建章氏は10月31日、同サイトに寄稿した評論記事において、「『中国統計年鑑2016年』の出生率に関する統計データが事実であれば、世界銀行のランキングに基づき、中国の出生率が世界最低水準だということは間違いない」と示した。
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【大紀元日本7月7日】米国の一部のホストファミリーが現在、中国人留学生の受け入れを拒否している。一人っ子で過保護に育てられた子どもとの生活の中で、さまざまな否定的要素があったからだと、家族らは主張する
30年以上続く中国の一人っ子政策で生まれた問題は多い。両親と双方の祖父母から過保護・過干渉を受けた子は、しばしば「小皇帝」と例えられている。中国の著名なブロガー劉植榮は、この子供が自立できるかを疑っている。以下は、この問題について書かれた劉氏のブログ記事の抄訳。
現在、中国本土には2億1800万人の一人っ子がいる。子にのしかかる親の介護問題。もし子に先立たれた場合、両親は喪失感で抑うつになる。1979年以前の多子家庭に比べ、一人っ子家庭は多くの社会的リスクを生んだ。
中国当局は、2016年から本土での第二子の出産を許可している。誰もが喜ばしいことだと思っていたが、当の子供たちは、弟や妹ができることを嬉しく思っていないようだ。第二子を希望する両親に抵抗して「自殺する」と哀願するケースもある。35年続いた一人っ子政策は、子供たちの考えを極端に自己中心的にさせた。
一人っ子政策により中国の出生率は著しく低下し、人口ピラミッドは急激に底が減り、他国と比べて年齢別人口がアンバランスになった。その影響は、近い将来の中国に暗い影を落とすと専門家は予測する。