中国人個人輸入 生鮮食品の需要高まる
中国人消費者にとって、「代購」と呼ばれる個人輸入代行業者を通じて豪州製品を購入することは珍しくないが、最近になって売れ筋商品に変化が見られるようになった。これまでの粉ミルクから、海産物、果物、鶏卵、牛肉といった生鮮食品への需要がにわかに高まっている。豪日刊紙、シドニー・モーニングヘラルドが報じた。
中国では国内製品に対する信頼性が低く、特に食品に対して疑念を抱く消費者が多いが、ほとんどの中国人は英語があまり堪能でない。そのため多くの 「代購」業者が誕生し、巨大な利益を上げるようになった。業者は通常、インスタントメッセンジャーアプリ「微信」などを通じて顧客にアピールしているが、 その理由を「我々の顧客はネットショップも信じていません。ネットにも偽物が溢れていますから」と説明している。
これまで人気が高かったものは豪州産の粉ミルクとビタミン剤だったが、最近になってアパレル製品や食品の需要が増加の兆しを見せている。豪州産チェ リーやマンゴー、桃といった生鮮食品は、注文から72時間以内に顧客の元に届けられるという。シドニー在住の女性は、旧正月を迎える中国の家族に宛ててチェリー2キロを購入したところ、運賃込みで90豪州ドル(約7,600円)だったと話した。
シドニーの代行業者は同紙の取材に対し、毎週欠かさず粉ミルク60缶とビタミン剤40本を中国に送っており、顧客からは25%の手数料を受け取っていると説明した。
また、メルボルンの運送会社によると、この会社は毎週一回、中国向けに20トンの品物を送っているという。
ある関係者は「代行業者による製品の品質保証や輸送方法の効率化が進めば、中国人顧客が豪州産牛肉や鶏卵といった生鮮食品の一大市場になりうる」と今後の進展に期待を寄せている。
(翻訳編集・桜井信一)