漢字の創造者 蒼頡(そうけつ)の物語

黄帝(こうてい)が治世した時(紀元前2500年ごろ)蒼頡(そうけつ)という史官がいた。彼は、古代から伝わる縄を結んで事を記述する方法で、史実を記した。しかし、時間が経つと、結び目を付けた縄がたまり、何を記録しているのか分からなくなるという問題があった。

 ある日、彼が狩りに出かけると、三叉路で同行の年寄りたちが言い争いを始めた。ある老人は、その先にカモシカがいるから東へ行こうと言い、もう一人の老人は、その先遠くないところに鹿の群がいるから北へ行くと言う。更に別の老人は西へ行くべきで、その先に2頭のトラがいるからと言い張った。

 蒼頡がそれぞれに根拠を尋ねてみると、皆は地面に残っている野獣の足跡を見て判断したのだと言う。その時、彼は一瞬ひらめいて喜んだ。「一種類の足跡が一種類の野獣を表すことができるのならば、私も符号を使って記録したいものを表現できるではないか」。彼はすぐに走って家に戻り、物事を記述する符号の作成に取り掛かった。人に邪魔されないように、彼は閉じ籠って一心に様々な符号を作り始め、それらを「字」と名付けた。

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