北砲撃事件への対応で、「中国は難しい外交判断を迫られている」=ロイター通信

【大紀元日本11月26日】11月23日に起きた北朝鮮砲撃事件を受け、国際社会は一様に北朝鮮を厳しく非難するコメントを発表するとともに、北朝鮮に影響力を持つ中国に対して厳しい姿勢で臨むよう要求している。しかし、中国は依然として北朝鮮への非難を避けている。北朝鮮を取るか、国際社会と足並みを揃えるのか、中国は難しい外交判断を迫られていると、25日付けのロイター通信が指摘した。

中国はこれまで、北朝鮮を米国に対抗するための戦略的緩衝地帯として位置づけ、北朝鮮とは緊密な関係を築いてきた。そのため中国は、米国を始めとする国際社会の圧力よりも、北朝鮮との関係を優先すると中国国内では見られている。

中国人民解放軍の元少将・徐光裕氏は、「中国と北朝鮮の関係は、今回のような局地的問題によって変化することはない」と見ており、「朝鮮半島の安定を望む中国は、北朝鮮を見捨てるようなことをしない」と断言し、「中国は態度を変えないだろう。中国は事態をエスカレートさせたくないので、北朝鮮と韓国の双方に冷静な対応を呼びかけた。しかし、北朝鮮との関係に根本的な変化は生じないはずだ」と述べた。

さらに同氏は、「中国は米軍の空母が米韓の軍事訓練に参加することを歓迎していない。そうなれば事態はさらに悪化するだろう」と分析した。中国は以前より、米韓共同の軍事演習に抗議してきた経緯がある。

しかし国際社会の圧力を無視し、北朝鮮への非難を避け続ければ、この地域での影響力を失うことを中国自身も危惧している。

米政府高官はロイター通信に対して、「中国は私たちが望んでいる、この地域の安定に有益な形で対応していない」と不満を口にしている。米国は可能ならば安保理決議の形で北朝鮮に制裁を加えることを望んでいるが、この点において中国と大きな隔たりがあるのが現状だ。

スコット・スナイダー戦略国際問題研究所上席研究員はロイターの取材に対して、「国連で北朝鮮に対する新たな制裁決議を出す必要がある。それによって国際社会の相手が北朝鮮なのか、それとも中国なのかが明らかにされるだろう」と語った。

(翻訳編集・高遠)
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