【大紀元日本9月21日】中国河北省乳製品大手・三鹿グループの粉ミルクから工業用化学成分メラミンが含まれ、乳児が腎機能障害を起こし死亡する事件の続き、中国国内の22社の乳製品メーカーが生産する乳児用粉ミルクとその他の乳製品にもメラミンが検出されたと報告されている。取引のある合弁と外資系企業が窮地に立たされ対応に追われている。
中国当局の発表では、19日までに6千人以上の乳児が問題の粉ミルクを摂取したため腎機能障害を患い、3人が死亡したと伝えられている。
問題の乳製品メーカーの中、海外の有名乳業大手と提携する合弁資本または外資系企業が多くある。最初に問題発覚した三鹿グループは、ニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)が43%の株を保有する合弁資本である。三鹿の管理に係るフォンテラ社はニュージーランド国内で、問題が知りながら早めに情報を公開しなかったことに責任があると問い詰められている。フォンテラ社は問題発覚後の9月17日、中国で販売している妊婦用保健牛乳の回収を公表した。この製品は、「三鹿グループ」が中国現地の原料で生産し、ニュージーランドの商標「ANMUM MATERNA」を使って中国で販売している。
フォンテラ社のほか、同じくメラミンを検出された「蒙牛乳業グループ」の合弁側―デンマークとスウェーデンの多国籍企業アルラ・フーズ社は、今回の事件が拡大し続けているため、中国国内の合弁企業の生産を一時中止すると公表した。
同社は中国最大の牛乳製造メーカー「蒙牛乳業グループ」と内モンゴルで合弁企業を設立した。今回、中国当局が公表した有毒粉ミルクのメーカーリストには、「蒙牛乳業グループ」もあり、同社は3種類の有毒乳製品の回収を始めた。
現時点において、アルラ・フーズ社の中国合弁企業が有毒乳製品の製造に関与しているかどうかは不明。
世界最大手の小売販売業者ウォルマート社とコーヒーショップ運営のスターバックス社の中国現地法人も緊急措置を公表した。
「蒙牛乳業グループ」から乳製品を仕入れするスターバックス社は20日、中国大陸で乳製品の販売を停止すると発表した。スターバックス米国本部が、関連の声明の中、「同社が販売していた乳製品は、発表された汚染製品のロット番号の範囲には入っていないが、問題の厳重性を戒め、更なる通知がされるまで『蒙牛』の製品を使用しない」とした。
ウォルマート社中国法人は、安全問題があるすべての商品の全額返品を受付する、と公表した。
一方、同じく渦中の「蒙牛乳業グループ」から仕入れをするケンタッキー・フライド・チキン(KFC)などを運営する米国のヤム・ブランド社中国法人は、「蒙牛乳業グループ」の乳製品問題はどのように自社の運営に影響するのかについて沈黙を保っている。
中国で35箇所の製造工場を設けているコカ・コーラ社は、使用するすべての濃縮液は上海で製造、98%の原材料は中国現地で仕入れている。中国の食品安全問題について、同社の全世界科学技術管理事務部のヘンリ・チン主任は米国VOAの取材に対して、中国は全世界のりんご濃縮液の3分の2を供給、同社製造のソフト・ドリンクの主要仕入れ先であるほか、全世界飲料生産の原料供給の主要国でもあると説明、中国での食品安全問題は全世界に影響する、と述べた。
米国食物薬品管理局(FDA)は、国内各業界に対し中国食品の安全問題を十分に警戒するよう求めた。
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