【季節のテーブル】九月の花札「菊水」

【大紀元日本9月7日】



心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 (百人一首)

菊の花言葉は高貴。菊月は9月の美しい呼び名。「菊に盃」が10点札。「菊に青短」が5点札。盃はチョコとも呼ばれます。日本の宮廷儀式「菊花の宴」では、菊花を浮かべたお酒を飲み干しました。菊は中国からやってきた花です。不老長生の薬効があると信じられていました。

日本では菊正宗というお酒の由来にもなっています。お酒はこの世に下された甘露です。さしずめ、ストレス発散の常備薬みたいなものでしょうか? インドではヨガ行者の頭に滴り落ちる、天の水がアムリタ=甘露です。不老不死の霊薬です。神を発見した人への贈り物でした。

中国の王様が徳政を行うと天地の陰陽が自ずと和し、瑞祥の水が天から降り注ぎます。これも甘露です。仁政の恵みが人々に分かち与えられるのです。この世の醍醐の妙薬は徳政の柱を天下ります。

中国の隠れ里に霊園があり、菊の花が咲き誇っています。菊は黄色い花が本来であり、黄金の光を放つ聖地の輝きの象(しるし)です。陰暦9月9日は「重陽の節句」。中国では偶数は陰の数、割り切れない奇数は陽の数です。9は陽の最大数です。最大数9が重なるので最も強くめでたい日とされ、祝宴が催されるのです。菊の強い香りが邪気を祓います。

お酒はこの世を忘れさせ神仏を垣間見させる養老の水=甘露の代用品でしたが、自分を見失い神仏を無縁のものとする一気飲みのドラッグになってしまったようです。そんな無茶はよして甘露な煎茶に菊見あられを添えて一献・・・、菊の花札の役「花見(さくら)で一杯」「月見(ぼうず)で一杯」の醍醐味を味わってみては如何でしょう?

(洸)

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