曹植の七歩詩
【大紀元日本9月2日】三国時代の魏の文帝・曹丕と、弟の曹彰、曹植はともに、武帝・曹操と卞太后の子供である。曹丕は、曹操の王位を継いだあと、曹彰が武勇に勝っているのを妬み、毒の棗を食べさせて殺した。そして、さらには曹植が文才に優れているのを妬み、やはり殺そうとした。それを知った卞太后は、「あなたはすでに弟の曹彰を殺した。もう決して曹植は殺してはならない」と言った。
ただ、何としても曹植が気に入らない曹丕は、曹植に、「七歩歩くうちに詩を作れ、さもなくば重刑に処する」と命じた。曹植はすぐさま次のような詩を作って、その命令に応えた。
煮豆持作羹 (豆を煮て柔らかくし、)
漉鼓以為汁 (それを漉して豆乳を作る。)
萁在釜下燃 (豆がらは釜の下で燃やされ、)
豆在釜中泣 (豆は釜の中で泣いている。)
本是同根生 (本は同じ根から生まれたのに、)
相煎何太急 (どうしてそんなに急いで煮るのか?)
曹丕はそれを聞いて、自分の行いをいたく恥じ入った。
(出典:『世説新語』)
(翻訳/編集・瀬戸)
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