ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(その5)

【大紀元日本7月2日】外苑を少し離れ、赤坂見附界隈の外堀通り「日枝神社」の近辺を流していると、昼ともなれば、タイトなビジネス・スーツに身を固めて颯爽と闊歩する日本のビジネスウーマンの姿が目立つ。ここは、外資系の会社が立ち並ぶオフィス街であるので、外人ビジネスマンの他、このような留学経験のあるバイリンガルな日本女性がもてはやされる。その姿は、夏の強い日差しにも映えて、まぶしいくらいだ。

私が、赤坂エクセルホテルの近辺で拾った客は、そのような女性の一人だ。既に五十は過ぎているであろうが、長身で均整の取れた体躯と色白で秀麗な顔立ち、携帯電話から聞こえてくる英会話、それは典型的な「留学帰国組」の日本的美人だ。乗り込んですぐに、車内に息苦しいほどの色気が充満している。しかし、どことなく眉間が曇っている。何か憂いを含んでいるのであろうか、「青山までお願いします・・・」というので、地下鉄の赤坂見附駅を睨みながら国道246に入った。

豊川稲荷附近の信号待ちで、例によって車内の時間を短縮する。「・・・実は・・私、最近になって中国の気功を始めたんです・・・」女性客が切り出す。「いいじゃないですか、僕も帰国者ですけど、本国では相当に修行したんですよ・・あれは、体にもいいんですよ・・」「私も最初そう思って、心身をリフレッシュするために始めたのが動機なのですが・・いつのまにか、先生とデキテシマッテ・・・」「いいじゃないですか、まだお若いようですし、僕だって外国人の彼女と楽しい時間を送りたいですよ・・羨ましい限りだ・・」「・・・私も最初はそうでした・・けれど、最近になって私のお腹の中から先生の声が聞こえるようになって・・・自分の魂が日に日に占領されるようで、怖いんです・・・」、何!?それは明らかにオカシイ、何かの方術にかかっているか、それとも・・・

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