【季節のテーブル】恐竜の口からヘリコプター

【大紀元日本4月6日】昔むかし火を吐く恐竜がのしのしと、歩き回っていました。火を吐くことが、恐竜の誇りでした。馬が嘶(いなな)くように、恐竜は火を吐いて暮らしていたのです。そんな恐竜族の中で、涙を流してばかりいる恐竜がいました。どうしても火を吐くことが,出来なかったからです。火を吐くと他の動物たちがビックリするので、そうしたくなかったのです。

この心優しい恐竜は、みんなから「お~い、なみだ(涙)くん」と呼ばれていました。火を吐きたくない立派な理由が、涙君にはありました。どんな動物とも友達になりたかったのです。火を吐くことを我慢していると、それが涙の水に変わります。とうとう口から噴水のように、涙が溢れるようになりました。

悲しくなって仲間からはぐれて森の中をさ迷い、湖のそばで深い眠りに落ちました。どこからともなく火と水の精霊の、輪舞の歌が聞こえてきます・・・「火を熾(おこ)し、水の狭霧でしっかり織れば、みんなが愛する虹になる」・・・

夢から覚めると涙君は、口から狭霧を作ってゆっくり吐きました。そして恐る恐る火を胸の奥底から吐き出してみました。するとどうでしょう。虹色の炎が風車のように旋回しながら、大空へと消えて行きました。それは虹のプロペラでした。恐竜の口から生まれた虹色のプロペラです。この虹色の火を吐く恐竜が、森のみんなを幸せにしました。

*後の時代、ダビンチはこの物語をヒントに、ヘリコプターの原理を考案しました。4月15日はヘリコプターの日(ダビンチの誕生日)です。

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